【文豪ストレイドッグス】青春の定義。【太宰治】

ファミレス。十七話 ページ17

「それよりA決めた？頼んでいい？」


「あ御免、いいよ」




昼食を頼むと、また友人は終わったと安心していた話を戻した。




「そ、れ、で。芥川君が違うなら誰が好きなの？」


「…好きな人はいないっていう選択肢はないの」




ジト目で友人の目を見るが、その子は判り易くえ、という顔をした。

それは考えていなかった、という顔だ。でもまたそれからあ、でも、と付け足す。




「一人くらいいても不思議じゃないんじゃない？この学校クラスも多いし」




それは確かに云えている。この学校は男子生徒も女子生徒も申し分ない。

だからと云って恋愛が多い訳でもない。真面目な生徒が多いのだろうか、と考えた。




「太宰先輩、とか？」


「え？」




コップの氷がカラン、と音を立てた。


恥ずかしくなって少し小さな声で、態と巫山戯た顔をして云うと、その子は眉を八の字にして困惑した顔になった。

本気で不安そうな顔になって、私は無意識に「嘘だよ」と云っていた。




「…だ、だよね、吃驚した」




何処か安心した顔になり、胸を撫で下ろす。本気だと通さなくて良かった。

私があんな太宰先輩(女誑し)の事好きな訳がないし。

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