放課後。十一話 ページ11
如何して、とでも云いたげな顔をする太宰先輩に、人差し指を一本、彼の顔の前にずいっと出した。
「一つ目に、貴方は私の友人の想い人だからです。」
「二つ目に、貴方と私は会ったばかりです。」
「三つ目に…私は貴方のその優しさは嘘だと思っていますから」
一つずつ指を増やしていき、三つの指が立った所で腕を下ろし、「そう云うことですから」と厳しく云い放って窓につかれた侭の太宰先輩の腕の下を潜り、階段をたたっと降りた。
「はぁ、矢っ張り駄目だ、緊張、した…」
彼がもう振り返っても見えなくなったところで思い切り深呼吸して汗で肌に張り付いたシャツを掴んでばたばた扇いだ。
屹度今頃太宰先輩は余裕そうなしたり顔でいると考えると、矢張りああ云って逃げてきて良かった、と思った。
♢♢♢♢♢
「…折角あんなに勇気出したのに」
窓から見える夕焼けを見て、それからまた窓に張り付いた侭の情けない手を見て深く溜息を吐いた。
__「私は貴方のその優しさは嘘だと思っていますから」
「…私、そんなに優しくないよ」
あんなに簡単に、私のことを好きでもない君にキスをしてしまう私の何処が優しいのだろう。
我慢が出来ない男なんて思われていたら…否でもAちゃんは私の事を本気だと未だ信じてくれてない気がする。
屹度今頃Aちゃんは余裕そうな満足顔でいると考えると、やり過ぎかとは思ったが矢張りあそこまでやって良かった、と思った。
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みるくてぃー(プロフ) - レインさん» 何時も来て頂いて有難うございます!いい話だなんて...嬉しいです。(笑)また新作作ってるので、作ったらまた宜しくお願いしますね! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 雪菟さん» か、感動して貰えて光栄です!!こちらこそ読んで頂いて有難うございました! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 完結おめでとうございまずぅぅぅぅ!!!(号泣)めっちゃいい話でした!!!めっちゃ好きになりました!!!!もう、これ、あの、広まれぇぇぇ!!!(うるせぇ) (2019年8月5日 18時) (レス) id: f0b4214c85 (このIDを非表示/違反報告)
雪菟(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても感動するお話をどうもありがとうございます! (2019年8月5日 17時) (レス) id: 93dfc2fd05 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - レインさん» 新作にも来て頂いて、有難うございます!ストーリーを褒めて頂けるとめっちゃ嬉しいです、、!頑張ります! (2019年7月26日 19時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年7月26日 8時