#6 同僚さん...? ページ7
Aside
「?A?どうしたの?何処か具合でも…」
黙りこくってしまった私に、心配した日和が声を掛けた。
のだが、それは客の来店を知らせるドアベルが鳴ったことで遮られた。
私も日和も、赤毛の少女や恐らくマスターも。すべての視線がその客の方へと向く。
「……え。
僕、なにかしましたかね…?」
現れたのは、透けるような白髪と、不自然な髪型が特徴的な少年だった。
少年は、
声色が強張っているし、顔が此れまでかと云う程青ざめている。
「敦。どうかしたの?」
少年の背後から追うようにして現れたのは、赤い着物の美しい少女。長い黒髪を花の髪飾りで二つにまとめている、少年よりかは幾らか幼い印象を抱く女性だ。
少女は心配するように、上目遣いで少年の顔を覗き見ている。
あ、っと、日和が微かに反応した。
もしや知り合いなのだろうか。
「?敦くん、鏡花ちゃん。どうかしたのかい?」
「突っ立てないでさっさと
すると、いつの間に居たのか。それなりに長身の少年を遥かに上回る大柄な男性が立っていた。しかも二人。
皆何処か個性的で、あまり得意なタイプではない。
日和が知り合いでないことを祈りながら、もう一度先程の問題について頭を働かせる。
「!あ!日和じゃないか!」
終わった
あぁ。此れが
初体験だと云うのに、最悪な場面で回収してしまった。
なんて憎らしい。フラグめ。
平穏な昼食に思いを馳せていた私をよそに、日和は『太宰さん!』と嬉しそうに声を上げていた。
日和はその"ダザイさん"とやらと話している。他にも、先程"アツシ"と呼ばれていた白髪の少年と、赤毛の少女、大柄の男性(太宰じゃない方)、着物の少女が日和を囲っていた。
この状況、周りから見れば厳つい(威圧的な印象のため)人達が純粋な少女を脅かしているようにしか見えない。
実際私もそう思っているし。
ならば何故助けないのか、なんて。
云う人はもう居ないけれど、そうしない理由ならある。
無論。怖いからだ。
残念ながら私には、友達(一応)を助けるため立ち向かう程の勇気は無いようだった。
ごめんね日和。
状況はわからないけど、取り敢えず無事を祈るよ。
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ハコ28 - とっても面白いです。続きを楽しみに待ってます (2023年4月6日 13時) (レス) id: 2c42bd39d0 (このIDを非表示/違反報告)
生きる文鎮(プロフ) - 𝑩𝑰𝑮𝑳𝑶𝑽𝑬────────── (2023年1月25日 11時) (レス) @page17 id: d1f7e0ec66 (このIDを非表示/違反報告)
あ - これは好きだ… あえてヒロインじゃないのがいい!!! 更新頑張ってください!!! (2023年1月18日 19時) (レス) @page11 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - す、、、好きだ____________文才ありすぎですわ!羨ましいですわ!分けてくださいまし!!!!!!(???) (2023年1月16日 22時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
桜音リシア - この作品すごい面白いです!!ヒロインではなくヒロインの友達(仮)っていう設定が気に入りました!応援してます!更新頑張ってください!! (2022年10月11日 16時) (レス) @page17 id: 332c31e382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂糖葉 | 作者ホームページ:nhatev-hdfs yue1
作成日時:2022年1月22日 17時