ひとばしr ページ28
「一体何をしたの!リーハ君はどこ?!」
私はこそこそと逃げようとしているコノハヅキさんの襟首とリーオックさんの上着の袖を掴んで叫んだ。
「答えなさい!」
「おれはしらない……」
相変わらず否定はするものの、リーオックさんの声には勢いがない。
「もし、もし!リーハ君が死んじゃってたりしたら許さないわよ!姉さんにも全部話す、アンタ達が殺し屋だって事も全部話しちゃうから!」
「やめろぉ……!」
「ナナミちゃん、だめ!!いやだよお!」
「だったら早く言いなさい!リーハ君はどこ!」
リーオックさん達は、ぼろぼろと涙を零しながら私の背後を指差した。
私は二人を捕まえたまま振り返った。
でもそこにはバカでかい雪だるまがそそり立っているばかり。
「雪だるまがどうしたの!私をバカにしないで!」
とうとう我慢が出来なくなって、私はリーオックさんから手を離し、雪だるまに正拳突きを喰らわせた。
リーオックさんとコノハヅキさんの泣き声の中、ドサドサッと大きな音を立てて雪だるまが崩れ落ちる。
すると……
その中から、青い顔をしたリーハ君が現れた。
彼は雪と一緒に、ゆっくりと地面に倒れ込んだ。
「キャアアアアアアア!!!」
私はビックリを通り越してパニックになってしまった。
「イヤアアアア!!!リーハクン!シンジャダメヨ!オキテ、オキテエエエエ!!」
裏返る声で叫びながらリーハ君を揺さぶった。
信じられないほど真っ青な顔をしたリーハ君は、目を閉じたまま、力なく地面に倒れている。
微かに息はしているものの、私の声かけには反応しない。
「トウシシナイデ!!」
どうしたら良いのか分からなくなって、私はリーハ君を引きずりながらサンクチュアリに飛び込んだ。
「アンタタチモ!テツダイナサイヨ!!リーハクンヲアタタメルノヨ!!」
「ひ、」
「わ、わかった!」
リーオックさん達にも手伝わせて、私はソファを暖炉の側に運び、リーハ君をその上に横たえる。
ただ、私は慌て過ぎて、一瞬リーハ君の頭を暖炉に突っ込んでしまい、髪の毛が少しチリチリになってしまった。
リーハ君を寝かせた後、私は暖炉の炎を強めるべく、薪を足した。
だけど、これで本当に良いのだろうか?!
私はリーハ君の頬と首筋を触ってみた。
途端にゾッとするような冷たさが指に伝わって来る。
ダメだ!
暖かさが足りないわ!
もっともっと燃やさなきゃ!
ガソリンとか油とかロウソクとか、燃えそうなものは全部入れた方が良いわよね?!
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冷兎 - シャーロックさん» それはない、え、てか二人が言うこと聞くとか明日地球滅亡するの?? (2021年1月31日 21時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - 冷兎さん» ふふふ、ナイスなのはレイトの絵がすっごくかわいいからだよ! (2021年1月31日 15時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - 姉貴…ここであの絵を取り入れてくんのと青葉入ってくんのナイスすぎる (2021年1月31日 1時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - 冷兎さん» もうめっちゃくちゃだねwこれが本当のクレイジーDAYS☆ (2021年1月29日 21時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - シャーロックさん» あ、俺よりヤバイ人出てきてはるんですけど??え、ちょ、らんn((ナナミぃ!サンクチュアリ燃やして彼女と一緒に日本に帰って来い!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャーロック | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sherlock_Rio
作成日時:2020年12月22日 22時