何がしたいんだ、コイツら ページ14
「……そんなに私と遊びたいの?」
コノハヅキさんとリーオックさんは、揃って大粒の涙をボロボロこぼしながら顔を上げた。
「う、うん……」
「おれは、あそびたい……」
「どうして?」
「だって、」とコノハヅキさんは袖でまた涙を拭いながら言った。
「ナナミちゃんは、つよいもん。ぼくのマリーを、いっしゅんで、つぶしちゃったし……」
「うん、なみのおとこより、つよいよな。」
リーオックさんがグスグスと鼻をすすりながら何気に失礼な事を言ったけど、私は寛大な心で許してあげた。
だけど、どうして遊びたい理由が「強いから」なのかしら……。
「だってつよいほうが、やっつけるのがたのしいから……」
「つよくないとつまんないだろ……!ギリギリのところでの、いのちのやりとりがおもしろいんだよ……!」
やっつけるのが楽しい?
ギリギリのところでの命のやり取りが面白い?
それを私としようって言ってるの?
「ナナミさん、それはや、やめた方が良いですよ……!」
リーハ君が、さっきリーオックさんに殴られていた膝をさすりながら言った。
私を心配してくれているらしい。
確かにね。
これ、ゲームの中の話じゃないのよ。
現実の話よ?
「乙女vs殺し屋というキャリアを持つ幼児二人」っていう組み合わせで何をしたいのよ、この二人は。
体や言動が幼児化しても、思考の基準が立派に殺し屋じゃない。
ヤバイわ……。
呆れるというよりも、私は少しだけ……胸が塞がれるような思いがした。
いっそ殺し屋稼業の事なんて綺麗さっぱり忘れて、子供になりきっちゃえば良いのに……。
普通の子供と同じように……。
私はたまらず、両手で二人の頭に触れた。
ふわふわな髪をそっと撫でると、二人はビクッとした。
こういう事に慣れていないのかも知れない。
「あのね、私はデス・ゲームは一緒に出来ないわよ」
二人が何か言いたげに口を動かしたけど、私は構わず続きを言った。
「だけど、安全で楽しい遊びなら、君たちとやりたいなって思ってる。」
「ほんとか?」
「うん、例えば……後で庭に出て、雪だるまを作るっていうのはどうかしら」
私は窓の外に目線を移した。
「まだそんなに積もってないけど、私もすぐに遊べる訳じゃないから……この朝ごはんを食べて、お皿を洗って、ちょっと家の中の拭き掃除をしたら……うん、その頃には積もってるんじゃない?」
「……おひるにはつもるって、きのうテレビでいってた!」
コノハヅキさんは、パッと顔を輝かせた。
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冷兎 - シャーロックさん» それはない、え、てか二人が言うこと聞くとか明日地球滅亡するの?? (2021年1月31日 21時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - 冷兎さん» ふふふ、ナイスなのはレイトの絵がすっごくかわいいからだよ! (2021年1月31日 15時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - 姉貴…ここであの絵を取り入れてくんのと青葉入ってくんのナイスすぎる (2021年1月31日 1時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - 冷兎さん» もうめっちゃくちゃだねwこれが本当のクレイジーDAYS☆ (2021年1月29日 21時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - シャーロックさん» あ、俺よりヤバイ人出てきてはるんですけど??え、ちょ、らんn((ナナミぃ!サンクチュアリ燃やして彼女と一緒に日本に帰って来い!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シャーロック | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sherlock_Rio
作成日時:2020年12月22日 22時