この歌を貴方へ！【マッシュル】 (ページ23)

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契約が無事終了し、神覚者達はそれぞれ各自の執務室に戻って行った。

それを見送った後で、私は自分の腰に懐中時計を付けた。

オーター「なんですか、それ。」

貴方「ああ、これ？懐中時計だけど」

見る？と言って懐中時計のボタンを押して蓋を開け、中のアナログ時計を見せた。
少々使い古されていながら、未だｶﾁｶﾁと秒針を刻んでいた。

オーター「贈り物ですか」

貴方「分かるか？2歳下の妹に貰ったんだ。
妹の大事な”形見”だ。」

オーター「っ…、」

やらかした、って顔に出てるなぁ……まあそうだよね、妹の遺品、何て言われたら。

貴方「3年前くらいに死んだんだ。
妹と、仲間の2人。私含めた4人は、元々ある帝国のトップだった。」

オーター「……」

貴方「私が他所の国に外交に行っていた時だったかな。奇襲を受けたらしい。私だけが、生き残った。」

オーター「貴方、」

貴方「さ、昨日手伝うと言った書類を片付けるか！」

ﾊﾟﾁﾝ、と懐中時計の蓋を閉じてオーターさんの机に向かう。オーターさんも後を追うように此方に来た。

何か言いかけていたが、私は聞こえないフリをした。