もう、大丈夫【キルア】 (ページ7)

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大丈夫5 ページ7

キルアside
コイツに突然聞かれたこと、「なんで助けたの？」

そんなの、当たり前なことだろ。

俺はそう言うと、コイツは「そっか……」と言って、それからだんまりになってしまった。

本当にコイツは昔の俺にそっくりだ。闇を抱えてるとことか特に。

「……家どっち？送ってく」

「え……！だ、大丈夫だよ！私」

大丈夫……か。よくそんな傷だらけで言えるよな。

ま、俺も人の事言えないけど。

「そんな傷だらけで言われても説得力ねーよ。いいから、こういう時は普通に“ありがとう”って言っとけばいいんだよ」

すると、一瞬コイツはためらって言った。

「あ……ありがとう」

そろそろ、コイツコイツ言ってるとあれだな。なんか、うん。

「そういえばさ、お前名前は？」

「A」

A

はっきりとそう言った。

どうりでそっくりだと思った。ただ一つ、光がない瞳を除いて。

「君の名前も教えてよ」

Aはそう言って、俺を見た。まぁ、横抱きしてるから元々見る形にはなるけれど。

「キルアだよ」

すると、今度はコイツの目が見開いた。

一瞬、ほんの一瞬だけ、Aの目に光が宿ったように見えた。

「キルアって言うんだ」

口元だけで笑うA。

思いっきり笑ったら結構可愛いと思うんだけどな。