もう、大丈夫【キルア】 (ページ27)

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大丈夫25 ページ27

キルアside
あの後、Aから元の世界に帰る方法が見つかったことを知らせてくれた。

帰りたくないな。

そう思ってしまう、世界一大切で大好きなお前に会ったから。

俺はその後、リビングのソファーに寝転んで考えていた。

「そういえば、なんで、Aを好きになったんだっけ」

思い返せばAと初めて会った時からだろうか。

最初の頃は、俺はAと『A』を重ねて見てしまっていた。今ではそれがなくなり、Aがどこか遠くに行ってしまうのかもしれない。そんな時に、彼女をつなぎとめるナニカを探していた。

あー、後あの時、Aが料理をしてる時に爆弾発言したんだよなぁ。

情はいらないとか思ったけど、必要だった。

たとえ、次元がちがかろうかなんだろうが俺は

Aが好きだ。

ガコンッ

また、今朝のように周りの景色が変わった。

そこには、『A』ただ1人。

『キルア、決断して』

「え？決断？」

『決断するなら、今日が最後だよ。時空の影響で明日中に帰らないと、キルアはあっちの世界では死んだとみなされる』

あっちの世界の俺の『死』かこっちの世界の俺の『生』か。ってことか。

「なんで、いきなりそんなことを」

別に今じゃなくたって。

『キルアが元の世界に帰るには代償がいるの』

代償……。

『その代償は“キルアと過ごした記憶”つまり、Aの記憶から貴方がこの世界にいた存在が消えるの。カタチとして残るけど、誰なのかは綺麗さっぱり忘れてしまう』

俺と過ごした記憶……。

その代償を払って、俺は元の世界に帰れと……？

『キルア、悪いけどはっきり言うわ。次元を超えて彼女がキルアを想い続けても、彼女が傷つくだけよ。それはキルアも同じこと』

なら、両方の記憶を取ればいいじゃねぇか。

『A』はおの心を見透かしたように言った。

『それが、残念ながら出来ないらしいの。2次元から、3次元の世界に来ることはないからよ。だから、彼女の記憶を取るしかないの』

そんな……。

こんなのってねーよ。

『キルア、どうするのか。ハッキリ決めてね』

そこで俺の意識はシャットアウトした。