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1【スライムの。】 ページ2

とても不思議な夢を見た。
うん、あれは夢だ。絶対夢だ。

だって、ほら。
私が今いるのは洞窟。暗い、洞窟。
…いや?鍾乳洞?

……どっちでも良いや。


ともかく!洞窟には、雨は、降らない!!

…いや、降りますね。雨じゃないけど。
水滴がぽたぽた落ちてますね…。

いや!でも、呼ばれてた名前が違うもん!

と、そうゆうのはひとまず置いとこう。


頭の中で、1人虚しく呟いていた私は、ゆっくりとあたりを見回す。

洞窟というのは、薄暗いはず。
でも、私が目にしている狭い世界は、至る所に小さく輝く石があった。

アレはなんだろう?宝石?

名前もわからないそれらが光り輝くから、この洞窟は他の洞窟に比べて随分と明るい気がする。
…他の洞窟になんて行ったことは、ないけれど。


いくら明るい洞窟だからといって、洞窟であることには変わりはない。
"人間"の私にとって、この暗さは正直苦しいかもしれないな…。

今。
何か、得体の知れない何かが、急に物陰から襲いかかってきたら。

そう考えるだけで背筋が凍る。

あまり物音は立てないようにしよう。
…別に特別騒いでいたわけでも、ないけれど。

そうやって意識的に自分を静かにさせると、
無意識に呼吸も浅くなる。

何も無い空間を、ただ物音を立てないというためだけに見つめ続けると、何かが遠くから聞こえる。

…川?
いや、洞窟なら湖かな。

さわさわ、さわさわ、と。
ゆっくりと静かに流れていく、水の音。
きっと外からの風に水が波打っているのだろう。

聞こえたのは、右の方。


ゴクリと唾を飲み込んで、ゆっくり首だけそちらに向ける。

もし、振り向いた先に
私の、右隣に
何か、得体のしれない何かがいたらと思うと、冷や汗がながれ、慎重になる。


…大丈夫。

振り向いた先も、やはり輝く石が続いていくだけで、何もいなかった。

『………ふぅ…』

……つい、ため息をついてしまった。
先程の大きな緊張から解放されたための、安堵のため息。

…大丈夫。

さっきから、あの水音以外、生き物の動くような音は何も聞こえない。
だから大丈夫。

さぁ、まずは水辺に向かってみよう。
何もしないよりは幾分かマシだろう。

気を取り直して、今度は行動してみようと思った。

まだ目が洞窟の暗さに慣れていないからか、それとも先程の緊張からか、ゆっくり立ち上がった両脚は少し、いや、だいぶ小刻みに揺れている。

そばの岩肌にそっと手を置いて、しっかりと身体を支えた。

その時。



…ポチャン!

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ミナ(プロフ) - 夢見る雀さん» ありがとうございます(´;ω;`)そう言っていただけるなんて感激です!頑張ります!!(´TωT`) (2019年10月14日 21時) (レス) id: 13cdda6338 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る雀(プロフ) - この小説めちゃくちゃ好きです!更新頑張ってください! (2019年9月27日 5時) (レス) id: fa272da316 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - 3626 5503 63さん» ありがとうございます!(´;ω;`)ゆったり更新ですが、がんばります! (2019年8月21日 1時) (レス) id: 13cdda6338 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - かぐやさん» そうですよね!アニメ2期も楽しみです(*^^*) (2019年8月21日 1時) (レス) id: 13cdda6338 (このIDを非表示/違反報告)
3626 5503 63 - 更新大変かもしれないけど 頑張って下さい! (2019年8月13日 10時) (レス) id: 878066c85e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミナ | 作成日時:2019年6月29日 0時

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