占ツクに宗教が出来上がったらしい(熄滅)

そのころ19 ページ19

【視点:作者A】

「ある人気作者に言いたいこと」−−画面に反映された自身のホムペを見る。
てんしはこれを見ただろうか。見て何かを思ってくれたのだろうか。今までそれを考えたことはあまりなかった。勿論、それはてんし自身が直接返信をくれたことが無かったことも原因かもしれない。

……次に私がやるべき事は、言うべきことは、分かっている。でもどうすればいい？また何か言ったところで、変化はあるのだろうか？どうしててんしは返信をくれない？今、彼女は何を考えている……？

今までてんしのことは、ただ嫌いだった。前までの私なら、彼女が徐々に名声を落としゆく姿を滑稽だ、自業自得だ−−調子にのるから痛い目を見るんだ、と嘲笑っただろう。実際にそのように思っていたこともあった。

確かにてんし自身の非は有り余る。
だから私は幾度かホムペを立て、批判を繰り返した。

だけど、結局そんなものはてんしにとって、数ある批判のうちの1つでしかなかったのではないだろうか。

そう考えると腹立たしい？やはり彼女は信者に甘やかされた最低の作者？

そのような考えを巡らせたユーザーはきっと多いのだろう。その証拠が、熱を帯びた晒し上げスレ。でも、あれらのバッシングが、何かてんしを立ち直らせる糧になったのだろうか？

あれらの後ろ指は、全て正しいものだっただろうか？

私は考えた。その日中考えて、とにかく頭を悩ませた。今までのどんな作品よりも、どんな騒動よりも、それは私を支配した。

「……はは」

−−そうして結論に至った時、笑いさえこみ上げてきた。元はAさんを助けるために始まった葛藤の末。それはかつての私とはまるで違った。

「……てんしを"救う"、だなんてね」

そう。
この状況を変えるためには、てんし自身を救済すること、その気持ちだ。

彼女自身が招いたのかもしれない批判。それに付け入るように、ただ騒ぐことしか脳にない輩が喚き散らす中傷。そしてどうしようもない信者。

てんしはその全てにがんじがらめになっているのではないだろうか？

現実の彼女の表情はわからない。
でも−−かつて晒されたてんしのブログだとかいう、その内容。

『私がどんなおもいかなんて誰も知らないんでしょうね。』

そんなことを、あいつは密かに書いていたのだっけ。

もう批判は飽きるほどぶつけられただろう。その末に進むことが出来ないてんしを、また批判？それでは終わりが見えない。

私は深い息を吐き、目の前の画面を見据えた。

てんしへ 1→←私は「てんし」

どうでもいい裏設定

後輩Aは可愛い。でも性格がきつめ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す