君しか見えないよ (ページ5)

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『はぁ…はぁ……やっと学校に着いた…』

私は教室に向かった

『教室の電気ついてる……』

人がいる……？

教室を覗いてみると…

スビンに振られたあの人だった

TH｢なにしにきたの…俺の泣き顔でも見て笑いに来た？｣

『いや………あの』

TH｢いいよ。笑えば？｣

『……笑いません。私もあなたと同じで酷い振られ方をしたんです。あなたの辛さはよく分かります。』

TH｢……｣

『……』

う…気まずい………やっぱ来ない方が良かったのかな…

TH｢俺さ…初恋だったんだ｣

『え…？』

TH｢俺…昔から顔しか好きになってもらえないんだ｣

たしかに…この人はとても顔がいい…

TH｢女は顔しか見ないって知ってたから本当に恋したことなくて…でも、スビンだけは違ってた……｣

あの人はとても辛そうな顔をして言った

TH｢スビンは…おれがどんなに口説いても見向きもしなかったのに…あの時は俺の味方になってくれてさ｣

『あの時…？』

TH｢…前に、うちのクラスでだれかがお金を盗んだんだ…で、その犯人がなかなか現れなくて…みんな犯人探しをして、みんな俺が犯人だって言い出して…誰も俺を庇う人が居なくて…その時…スビンだけが俺はやってないってこと信じてくれて…｣

その話をしてる時…とても幸せそうな顔をしていた…

『…それでスビンに顔だけって言われて…泣いてるんですね』

TH｢…おれ…スビンにだけはそんな事…言われたくなかった…ッ｣

『…辛かったですね…』

TH｢ごめんね…こんな泣き顔見せて…｣

『いえ…全然大丈夫です…』

TH｢話聞いてくれてありがとう…｣

『あの……スビンは悪い子じゃないんです。あの子…昔から恋愛が苦手で…思ってもないこと口に出しちゃうんです…だから……嫌いにならないでください』

TH｢……うん。嫌いにならないよ…。｣

『それでは…さよなら…』

TH｢家まで送るよ｣

『いえ大丈夫です』

TH｢…もう暗いし…女の子1人じゃ危ないよ｣