番外編:いつかの世界 第三者side ページ17
いつもと、何ら変わらぬ日だった。
ページを捲る音だけが響いていた。
顔を上げ、欠伸を1つ。
瞬間、白鳩が死んだのを確認した。
同時に、隠す気もない重く威圧的な気配を察知した。
その気配に、Aは疑問と驚きと恐怖を覚えた。
動揺と混乱が押し寄せる。
しかし、努めて冷静な思考をした。
そして、冷静になりきれないままに脳は決断を下した。
外で、ギィの介入が無い場所で会わなければ。
相手が分かっているからこその行動で、相手を知らないからこその判断だった。
咄嗟のことでまだ現状が処理しきれていないまま、Aは適当な森に空間移動した。
予想通り相手はやってきた。
しかし、予想以上に相手は早く追ってき、移動先で少しは冷静になろうという計画は潰された。
焦る思考で再会する。
死んだはずの“運命”と。
リムル「久しぶりだな。A。」
極めて優しげな声に、Aの鼓動は速さを増す。
珍しく冷や汗もかいていた。
しかし、それでもAは震える声で返した。
「リムル……」
その事に、相手は至極幸せそうに頬を赤らめ笑った。
リムル「驚いたか？実は、最近また色々あって。まぁ、それで進化できたんだけど。それで俺、魔王になったんだ！覇気を抑えるのはまだまだ下手で、さっきみたいに怖がらせるかもしれないけど…
にしても、Aは大丈夫だったのか？今まで、名付け親に閉じ込められてたんだろ？
でも、そいつももう俺が殺したから、もう怖がることは無いよ！って、Aの事だから、気配とかで分かってただろうけど。だから、外に出てきたんだろ？」
理解出来ない相手の怒涛の言葉に、Aは更に混乱した。
理解したくない、と言った方が正しいのかもしれない。
ともかく、勘違いを正して、情報を擦り合わさなければ。
しかし、戸惑いと恐怖に押し潰されそうな脳での決断は、あまりにも遅かった。
「あ…」
音もなく、リムルに剣が振り下ろされた。
風はやみ、生きとし生けるものは一時ばかり成長を止め、太陽も月も働きを止めた。
その世界で息をしているのは片手で数える程だ。
そんな数人の1人たるAは、しかし動けなかった。
しかし、特別おかしな光景ではなかった。
羊飼いたる者が、自身の羊を奪おうとする者を殺す、なんて。
あぁ、最悪の未来になってしまった。
精神すら、魂すら斬り裂いた剣に映った羊の瞳は赤かった。
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ふゆねこ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます🙂早く3期来て欲しいな笑 (9月4日 0時) (
レス) id: cd0c30d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
メア様推しの人 - 一日で全部読めなかった〜 (2023年5月7日 9時) (レス) id: b2dbf5b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続きを楽しみにしてます (2023年4月12日 20時) (レス) @page18 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます！アニメが待ち遠しいですね〜(それまで多分、更新できない…) (2023年3月13日 21時) (レス) id: c8f81ce0da (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年3月12日 22時) (レス) @page18 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2023年1月25日 22時
