番外編:いつかの世界 第三者side ページ15
Aは白く美しい城を前に深い溜息をついた。
感嘆と言うよりは嘆きの溜息を。
子供たちが無事、体内の魔素を安定させたのを見届けて、Aは1度、“家”に帰ることを選択した。
勿論、リムルにも子供たちにも止められたが、また来るから、と約束をして諦めてもらった。
ラミリスから話を聞いて以来、Aは少しばかり嫌な感覚がしているのだ。
何か、良くない事でも起こるかのような。
運命をグチャグチャに掻き混ぜられるような。
そんな心を締め付けられる感覚。
そして、その理由を自身の羊飼い、ギィ・クリムゾンにあると仮定した。
だから、Aは周りに適当を言ってでも帰ってきたのだ。
Aが白氷宮の前にいることなんて、相手にはバレバレだ。
諦めをつけて、Aは重い足取りで中へ進んだ。
それから、Aはそれはもう苦労した。
Aの魔素はAが思っていた以上には減っていたらしく、余計過保護にさせたのだ。
それでも、何とかなだめて、今までの経緯を話し終えたのがつい先程である。
現在、ギィの膝の上。
腰にはしっかりと腕が回されている。
しかし、その腕には最初ほどの強い力はかかっていなかった。
幾分か直っているギィの機嫌に、Aは少しも安心出来ない。
しばらく大人しくしていないとな…
本能よりも経験則がそう告げた。
少しつまらない気分になって深く深く溜息をつくと、勝手に紅茶を召喚して1口。
そのお陰でか、Aは単調になっていた思考が少し落ち着いた。
まあ、いつものように時間が経てばまた行けばいいのだし。
急発展をするあの国がどこまでいくのか、というのを外で待つのも面白そうだし。
魔素が減っていたのなら、回復すべきだったのだし。
考えれば考えるほど、プラスの方が多い気がしてきて誤魔化すようにもう一口。
サラリと髪が梳かれる。
ギィ「落ち着いたか？」
見透かしたように、ギィがAに問いかけた。
気づけば、ギィの手で髪を結んでいた赤いリボンは解かれていた。
いや、ギィは自分の手でリボンを解くのを嫌うから、きっと風魔法か何かを使ったのだろう。
Aは直ぐに意図を理解した。
こういう時は大体“眠り”の合図だ。
AよりもAを理解しているギィによる、無理をするなという忠告。
この類は、聞いておくに限る。
その方が、自分の為にもなるからだ。
Aは体を横に向け、ギィにもたれ掛かると、そのまま目を瞑った。
嫌な予感は拭えない。
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ふゆねこ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます🙂早く3期来て欲しいな笑 (9月4日 0時) (
レス) id: cd0c30d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
メア様推しの人 - 一日で全部読めなかった〜 (2023年5月7日 9時) (レス) id: b2dbf5b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続きを楽しみにしてます (2023年4月12日 20時) (レス) @page18 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます！アニメが待ち遠しいですね〜(それまで多分、更新できない…) (2023年3月13日 21時) (レス) id: c8f81ce0da (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年3月12日 22時) (レス) @page18 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2023年1月25日 22時
