目線を合わせて【N.K】 (ページ32)

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もともとAちゃんと同期の子が話しているのを聞いてしまって

ビールと日本酒にとことん弱いことは知っていた

だからそれを避けて
レモンサワーとか、カシスオレンジとか

弱い酒をチョイスしてたのに。

…弱いってそういうことか。

何もかも素直に話しまくってしまっている彼女を見て
ここまできたら、確認するしかないじゃない。

日本酒を頼んで、一口彼女に飲ませてみた。

『Aちゃん、大丈夫？』

飲ませておいて心配する俺もどうかと思うけど
きっとシラフじゃ教えてくれないだろうから。

『Aちゃんの好きな人って、…誰なの？』

少しずるいけど、どうか許して。

「_____私は…」

『ん？』

「… 主任を見ると、
心臓が痛い、んです。」

『それって…？』

「わたし… す、き…みたい_____」

そのままパタンと力尽きて
すぅっと眠ってしまったけれど

『…俺もだよ、』

それだけ耳元で囁いて
彼女を抱えて店を出た

行きに聞いていた住所に走って
確かAちゃんのお友達だった子に電話して

部屋番号とか、鍵の場所とかぜーんぶ教えてもらって。(笑)

友達がそこまで知ってるのも心配だけど、
部屋に上がり込めたからオールオッケーだな。

半分寝ているAちゃんをそっとソファに寝かせると
キュッとスーツの端を握られた

「…、しゅ、にん、」

『…あーあもう、どうなっても知らないからね』

押し倒すように上に跨って
少しだけ唇を寄せた

『_____ずっと前から、好きだったよ。』

また寝息を立て始めた彼女の唇に自分のを重ねて

明日起きてどこまで覚えているか
それが楽しみで仕方がない

ベッドまで運んで、勝手に連絡先を交換して
少しだけ目を開けた彼女に

『第5会議室で待ってる。
来たら付き合ってやるよ』

また意地悪をして、微笑んだあなたを抱き締めた

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