目線を合わせて【N.K】 (ページ3)

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そして今日は待ちに待った主任出張の日。
主任の1週間の予定表をこっそり相葉さんに見せてもらって

わざわざスケジュール帳に黄色く丸をつけた日。

「あの、相葉さん？」

『なにー？』

「主任って今日出張ですよね？来ませんよね？」

『あー、ニノね。今日名古屋って言ってたし午前は確実帰ってこないね。』

2年先輩の相葉さんに念押しの確認をして
いつも怯えながら打つキーボードを清々しい気持ちで打っていた

…のに、

『だからニノって呼ぶなって言ってんでしょーが』

ファイルでバシッと叩いた音と一緒に
聞こえるはずのない声が聞こえてきて

『いってー…
だってニノって呼んだら可愛いじゃん！

ってかあれ？ニノ今日出張じゃないの？』

『タメ口聞くな！別に可愛さ求めてねーんだよ、俺は。
あ？出張？
んな面倒なもの俺が行くと思ってんの？』

…えっと、

『黒川、俺が出張だからって気抜いてんじゃねーぞ？あの資料今日中だかんな！』

「ちょっと、主任っ、」

『ん？あぁ、出張じゃねーからいつ出してくれてもいいよ？なんなら午前中にでも。』

「… 頑張ります、」

なんでいるの…ってか午前中って！

「最悪…」

『Aちゃん、ドンマイ(笑)
俺も自分の終わったら手伝ってあげるから。』

「ありがとうございます…」

相葉さんが天使に見える…

そして自分の席でコーヒー飲んでるあいつは悪魔だな。

『あ、あと。黒川。昼俺んとこ来いよ？』

「はぁ… 分かりました」

今日のお昼は隣のカフェのサンドイッチって決めてたのに。

『ほんと、ニノってAちゃんお気に入りだね～(笑)』

小声で相葉さんが言うけど

「ほんと、いい迷惑です。私ばっかり怒って呼び出して、雑用させて…」

『余計なこと言ってないで仕事しろ。』

主任の斜め前の席が恨めしい。

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