目線を合わせて【N.K】 (ページ11)

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「はい、もしもし。」

『あ、Aちゃん？
お疲れ様～！』

「お疲れ様です！」

相葉さんのお疲れ様、だけでなんでこんなに元気になれるんだろう！

思わず声が大きくなって
隣の主任の目線が私に注がれる

『仕事終われた？』

「はい、相葉さんが手伝ってくれたおかげでなんとか。」

『そっかー、良かった！
じゃあ今もう家かな？』

「いえ、まだですけど…」

『じゃあさ、ご飯いかない？』

「えっ！？ご飯？！」

『だめかなー？』

いやいやいや、私今…

『相葉さん？今この人俺といるんで。じゃあ。』

スルッと奪われたケータイは
役目を終えて私の手元に返された

「…、ぇ、ええ！」

『あー、相葉さんがメシの話するから腹減ったなー』

「ちょ、ちょっと！主任！」

『何、うるさいなぁ…』

「なんで勝手に切るんですか！っていうか相葉さんに勘違いされちゃいますよ！」

"今一緒にいる"なんてさらっと言われて
相葉さん、絶対勘違いしてる…

『まぁ、そうかもね？』

「そうかもねって…！」

『別に勘違いさせとけばいいじゃん
それともあれ？相葉さんとあなたってソウイウ関係だった？』

「なっ…！
ち、違います！そんなんじゃないです！」

『…(笑)
んーなら良いでしょ。ほんと腹減った、なんか食いに行こ』

「…はぁ？！」

私の意見なんてそっちのけ。
右に曲がるはずの交差点は、なぜか左折されて

やけに楽しそうな主任の横顔を見たら
怒る気持ちも少しだけ、収まってしまった

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