検索窓
今日:4 hit、昨日:11 hit、合計:61,125 hit

三十二話 ページ35

・冬休みです受験勉強頑張ります


「はぁ…そんな事より、勝手に入らないでくださいよ」

「君は庵君みたいな子がタイプかな?私はどうだい?」

キョロキョロと周りを見渡しながら僕に問う九十九さん。

正直僕は彼女が苦手だ。会う度会う度好きな女性のタイプを聞いてくる……僕が答えればいいのだろうが、女性のタイプとか心底興味が無い。

「歌姫はそんなのじゃないですよ」

「私は二番目でも良いんだよ?……なんちゃって。惚れた?」

「惚れてないです。……勝手に触らないでくださいよ」

液体が入ったフラスコを手に取ろうとしたから、注意する。

ひゅっと手を引っ込めたけど、ちゃあんと見えてますよ。

「今回は何の研究だい?これを見る限り呪具だろうけど」

研究室の奥にある大きな透明なタンクのようなもの。その中には大量の透明な液体。

これは呪力を液体化させて溜めたものだ。この中にものを入れることによって、それに呪力が宿る。

「今回研究しているのは中国の呪具です。ほんの最近まで中国に居ましたから」

「嗚呼、だから私に回る任務が多かったんだね。納得だ」

多いも何も、特級ってそんなものだろうと心の中で思う。

「はい、はい……もう帰ってくださいね。僕、今から研究なんです。」

「分かったよー。もう出るね……そうだ、私が今。と言うより昔から考えているものがあるんだ。同じく海外に飛んで研究するもの同士として言っておこうかな」

出入口に向かっていた九十九さんは、こちらを振り返る。

先程までの飄々とした明るい笑顔とは一転、真面目で、特級らしい雰囲気を纏う。

こういう時は、本当に真面目な時。

「私はね、呪いが生まれない世界を作る」

「……は?」

「高専の方針は”対症療法"。私がやりたいのは呪霊の発生要因を無くす”原因療法”をしたいんだよ。それだけ言っておくね。」

制止の声も聞かず、九十九さんはじゃあねと手を振って出ていった。

「……呪霊のいない世界」

そんなの、作れるわけがないのに。

彼女は何を考えているんだ。まさか、そんな考えを生徒に広めようとしないだろうか。

多かれ少なかれ非術師を嫌う者は居るんだから。

「……冗談ではないだろうし……はぁ、面倒だねぇ」

こういう時は趣味に溺れようか。夕方の約束を忘れないようにしなくてはね。

三十三話→←番外編



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (100 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
267人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 男主 , チート
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Mimi(プロフ) - 333さん» ありがとうございます!助かりました(・・; (2022年11月21日 16時) (レス) id: c181aeabb1 (このIDを非表示/違反報告)
333(プロフ) - なので、作者様の日本語訳に近づけようと思うと、I work with you , we can finish it soon.私があんたと仕事をすれば私たちはそれ(仕事)をすぐに終わらせられる。これがベストだと思うんです。突然の長文失礼致しました。 (2022年11月21日 1時) (レス) id: cad7f1ee43 (このIDを非表示/違反報告)
333(プロフ) - 序幕のIfからはじまる英文なんですけど、このままだと「もしアンタがこの場所に居ていたなら、私は私の仕事をより早く終わらせるつもりだった。」になるんです。普通、Ifは未来の事柄に使うので(were ,wouldは過去を現す)未来で過去にタイムスリップしちゃうんです。 (2022年11月21日 1時) (レス) @page1 id: cad7f1ee43 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Mimi | 作成日時:2022年11月15日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。