三十二話 ページ35
・冬休みです受験勉強頑張ります
「はぁ…そんな事より、勝手に入らないでくださいよ」
「君は庵君みたいな子がタイプかな?私はどうだい?」
キョロキョロと周りを見渡しながら僕に問う九十九さん。
正直僕は彼女が苦手だ。会う度会う度好きな女性のタイプを聞いてくる……僕が答えればいいのだろうが、女性のタイプとか心底興味が無い。
「歌姫はそんなのじゃないですよ」
「私は二番目でも良いんだよ?……なんちゃって。惚れた?」
「惚れてないです。……勝手に触らないでくださいよ」
液体が入ったフラスコを手に取ろうとしたから、注意する。
ひゅっと手を引っ込めたけど、ちゃあんと見えてますよ。
「今回は何の研究だい?これを見る限り呪具だろうけど」
研究室の奥にある大きな透明なタンクのようなもの。その中には大量の透明な液体。
これは呪力を液体化させて溜めたものだ。この中にものを入れることによって、それに呪力が宿る。
「今回研究しているのは中国の呪具です。ほんの最近まで中国に居ましたから」
「嗚呼、だから私に回る任務が多かったんだね。納得だ」
多いも何も、特級ってそんなものだろうと心の中で思う。
「はい、はい……もう帰ってくださいね。僕、今から研究なんです。」
「分かったよー。もう出るね……そうだ、私が今。と言うより昔から考えているものがあるんだ。同じく海外に飛んで研究するもの同士として言っておこうかな」
出入口に向かっていた九十九さんは、こちらを振り返る。
先程までの飄々とした明るい笑顔とは一転、真面目で、特級らしい雰囲気を纏う。
こういう時は、本当に真面目な時。
「私はね、呪いが生まれない世界を作る」
「……は?」
「高専の方針は”対症療法"。私がやりたいのは呪霊の発生要因を無くす”原因療法”をしたいんだよ。それだけ言っておくね。」
制止の声も聞かず、九十九さんはじゃあねと手を振って出ていった。
「……呪霊のいない世界」
そんなの、作れるわけがないのに。
彼女は何を考えているんだ。まさか、そんな考えを生徒に広めようとしないだろうか。
多かれ少なかれ非術師を嫌う者は居るんだから。
「……冗談ではないだろうし……はぁ、面倒だねぇ」
こういう時は趣味に溺れようか。夕方の約束を忘れないようにしなくてはね。
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Mimi(プロフ) - 333さん» ありがとうございます!助かりました(・・; (2022年11月21日 16時) (レス) id: c181aeabb1 (このIDを非表示/違反報告)
333(プロフ) - なので、作者様の日本語訳に近づけようと思うと、I work with you , we can finish it soon.私があんたと仕事をすれば私たちはそれ(仕事)をすぐに終わらせられる。これがベストだと思うんです。突然の長文失礼致しました。 (2022年11月21日 1時) (レス) id: cad7f1ee43 (このIDを非表示/違反報告)
333(プロフ) - 序幕のIfからはじまる英文なんですけど、このままだと「もしアンタがこの場所に居ていたなら、私は私の仕事をより早く終わらせるつもりだった。」になるんです。普通、Ifは未来の事柄に使うので(were ,wouldは過去を現す)未来で過去にタイムスリップしちゃうんです。 (2022年11月21日 1時) (レス) @page1 id: cad7f1ee43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mimi | 作成日時:2022年11月15日 21時