【WT】宝石たちが輝くように

9話 ページ11

『ちょっと…それでいつまで手つないでんの。』


年頃の女の子がお兄ちゃんと手をつないで歩くなんて恥ずかしいったらありゃしない。

流石に離してくれるかな、と思ったその手を離したかと思えばなんと指を絡めてきたのだ。

そう。恋人のように、優しく。


『えっ、ちょっとなんで、、握力強すぎ…』


離そうとしても力が強すぎて離してくれない。


kn「ふふっ、ドキッとした？」

『したけどさぁお兄ちゃんだよ、意味分かんないよ恋人繋ぎなんて。勘違いされるよ』

kn「俺はそれでもいいけどね」

『なんか言った？』

kn「なにも」


結局家につくまでその手が離されることはなく温かいままの左手に違和感を覚えながら手を洗う。


『あ、メール来てるし』


送り主はシャークん。一緒に帰ろうとしていたのに悪いな。

シャークんとは中学からの付き合いだけどお兄ちゃんにはあんまりあったことないんだよな。

家に呼んだことないし。


『明日は一緒に帰るぞってか、素直じゃないな〜もう』


お兄ちゃんに言っとかなきゃな。私にはスマイルとシャークんがいるから大丈夫だよって。

テストの自己採点の課題をして、ゴロゴロしていたらお兄ちゃんにご飯に呼ばれる。

うちの家は両親ともに仕事で夜が遅く朝は早い。顔を見るのは休日くらいだ。

だからお兄ちゃんが大体夜ご飯を作ってくれる。私もたまにしか作らないけど手伝わなきゃ。


『わ、今日はハンバーグ！？やったぁ美味しそう』

kn「さて、食べようか。いただきます」


いただきます、と手を合わせて美味しそうなハンバーグを口いっぱいに頬張った。

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