〈71〉 ページ8
「ねぇ、あの子じゃない？」
「あー、五条先生のクラスの子。」
「ズルいわー。」
遠くから微かに女子生徒達の話し声が聞こえる。
始めこそ気にしていなかったのだが、Aは自分自身の事を言われている事に気付いてしまった。
容姿の事だったり、性格の事だったり、それは自身に当てはまる話ばかりで、それは誰が聞いても明らか。
これにはAも、非常に不快な気持ちになってしまった。
『…。』
Aは話し声がする方向に顔を向けて見てみる。
すると、やはり此方を見て話をしており、目が合ったと思ったらすぐに反らしてまた見て来る。
「うわ、こっち見た。」
「聞こえてる？」
「大丈夫、大丈夫。」
生徒達の顔を見たが、相手は誰一人知らない人物。
彼女達に何かを言われる覚えは全く無かったが、Aは理由を聞きに行く勇気は無かった。
そして、段々と気が散って食事が出来なくなってしまう始末。
『…、っ…。』
Aは居心地の悪さを感じながらも、何とか食事を口に運んだ。
するとAの異変を察したのか、友人が心配そうに尋ねて来た。
「A、…やっぱ具合悪い？」
『違う、…。』
「なら、どうしたの？」
『…、なん、か…私のこと言われてる…と思って。』
ここで初めて友人は、Aが嫌な思いをしている事に気が付いた。
相手って、と友人が聞いてきた為、Aは目配せをして女子生徒達に視線を投げた。
すると、友人はスプーンを叩き付ける様にして立ち上がりかけたので、Aは急いで制止を掛ける。
『えぇー、ちょっと…！』
「あーゆーの、やだよね、聞いてきてあげるよ。」
『ありがとね、でもいいからっ！』
「そう？…全く、ジロジロ見ないで欲しいよね。」
牽制する様に友人は奥の方を睨むと、女子生徒達の声は一瞬で静かになった。
そして、再び静かな食事の時間は流れるのであった。
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みゅん(プロフ) - 焦げた春巻きさん» 焦げた春巻き様コメントありがとうございます！そんな風に思っていただけるのは嬉しい限りです！応援ありがとうございます！ (2022年3月19日 6時) (
レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
みゅん(プロフ) - おもち。さん» おもち。様コメントありがとうございます！そう言って頂けるのはやっぱり嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年3月19日 6時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
みゅん(プロフ) - ???*??さん» ???*??様コメントありがとうございます！現在は作品整理をしている最中ですので申請をお受けするのが難しい状況にございます。折角のお話でしたのに申し訳ありません。ただ、特別公開をする事がございますので、その際にでも読んで頂けましたら幸いです。 (2022年3月19日 5時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
みゅん(プロフ) - ほーんりさん» ほーんり様コメントありがとうございます！お心遣いに感謝いたします！ありがとうございます！ (2022年3月19日 5時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
焦げた春巻き(プロフ) - うああ夢主が救われない…心痛むけど展開が気になる作品です！これからも応援しています。 (2022年2月23日 15時) (レス) @page20 id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅん
| 作成日時：2021年11月4日 2時
