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風呂から上がったAは、髪の毛をタオルで拭いながら階段を上っていた。
そして自身の部屋に向かうと、真っ先に髪の毛を乾かす為に、ドライヤーの置いてあるドレッサーへ腰掛ける。
『…。』
化粧水や乳液などのスキンケアを終えたAは、ドライヤーを持ち、スイッチを入れた。
すると、ベッド付近でスマートフォンが点滅している事に気が付いた為、一旦ドライヤーを止めたA。
ドライヤーからスマートフォンへ持ち替えて、メッセージを確認すると、そこには恋人からのメッセージが画面一杯に敷き詰められていたのだった。
『…ぁ、…悟さんから。』
内容は、Aの身を案じる様な文章ばかり。
この時間帯、五条は仕事で忙しい筈だ。
でも、どんな時であっても自身の恋人はこんなにも心配してくれる。
Aはそれが嬉しくなり、病院でも大丈夫だった事や、今痛みは殆ど無い事を伝えた。
『よし…。』
Aは、五条へメッセージを送信してスマートフォンを置くと、再びドライヤーに持ち替えた。
すぐに、スマートフォンへ返信が来るとは思っていなかったからだ。
だが、ドライヤーのスイッチを入れようと親指に力を込めた時、そのスマートフォンから着信音が聞こえてきたのだ。
思わず手を止めて、ドライヤーを放ると、スマートフォンを手に取るA。
『…あ!』
五条悟と表示された画面を見て、Aは急いで通話ボタンをタップする。
急ぎ気味に出たAを、五条は電話口で少しだけ笑うと優しい声で呼び掛けた。
『…もしもし…!』
「お、…もしもしー、A?」
『うん、…今、大丈夫なの?』
「それ僕のセリフだよねー、…Aこそ、ホントに大丈夫なの?」
『うん、ちゃんと休めば大丈夫だって…、土日挟めて良かったよ。』
「そ、なら良いんだ。」
不意に時計を見てみるA。
忙しい筈なので心配していると、それは当たりで
、すぐに五条の方は御呼びが掛かってしまった。
『…悟さん、呼ばれてるよ?』
「あ…ごめんね、そろそろ戻らなきゃ。」
『…そっか、電話ありがと。』
「いいよ、僕もAの声聞けて安心した。」
『…うん。』
Aが寂しそうな声を出すと、それを聞き逃さなかった五条は、また後で掛けるね、と優しくと告げる。
そしてAの声が明るくなるのを確認すると、五条は電話を切ったのであった。
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みゅん(プロフ) - 焦げた春巻きさん» 焦げた春巻き様コメントありがとうございます!そんな風に思っていただけるのは嬉しい限りです!応援ありがとうございます! (2022年3月19日 6時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
みゅん(プロフ) - おもち。さん» おもち。様コメントありがとうございます!そう言って頂けるのはやっぱり嬉しいです!ありがとうございます! (2022年3月19日 6時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
みゅん(プロフ) - ???*??さん» ???*??様コメントありがとうございます!現在は作品整理をしている最中ですので申請をお受けするのが難しい状況にございます。折角のお話でしたのに申し訳ありません。ただ、特別公開をする事がございますので、その際にでも読んで頂けましたら幸いです。 (2022年3月19日 5時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
みゅん(プロフ) - ほーんりさん» ほーんり様コメントありがとうございます!お心遣いに感謝いたします!ありがとうございます! (2022年3月19日 5時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
焦げた春巻き(プロフ) - うああ夢主が救われない…心痛むけど展開が気になる作品です!これからも応援しています。 (2022年2月23日 15時) (レス) @page20 id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅん | 作成日時:2021年11月4日 2時