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〈65〉 ページ2

Aは自宅に到着すると、親からすぐに食事を摂るように促された。

食欲は無かったが、甘いものだけは口にしてそのまま夕食後の薬を飲む。

そして汗を掻いた事もあってか、それが済むとAは風呂場へ即座に向かったのであった。





『…汗かいたし、ささっと入っちゃおう…。』





本来ならば入浴は控える様に、と病院で言われていたが、汗を掻いたままでいるのは流石に嫌だったAは、それを少しだけ無視してシャワーを浴びる事にした。

脱衣所で衣類を全て脱いで、Yシャツやインナー等の洗える物は洗濯機へ入れる。

制服のスカートは湿気ってしまうと気持ちが悪いので、若干行儀は悪いとは思いつつも、Aは廊下へ顔を少しだけ覗かせて棚へ投げる様にして置いた。

リボンも同様で、スカートの上へそっと乗せるとシャワーを浴びる準備は完了。





『…よし、…。』





廊下から顔を引っ込めて脱衣所の扉を閉めるA。

そして風呂場の扉を開けようとしたのだが、不意に横の鏡に目を奪われた。





『…うわ。』





それを見て、思わず声を立てるA。

鏡の中の自身が、絆創膏を痛々しく思える程に貼り付けられた姿を見たからだ。

Aは徐に茶色の絆創膏に触れると、爪に引っ掻ける様にして一枚ずつゆっくり剥がす。





『…いっ…。』





汗を掻いた為、絆創膏の粘着力は弱まったと思っていた。

だが、それは思いの外強くて剥がす際には若干痛みを伴った為に、剥がすのは苦労しそうだ。

そして、何とか時間を掛けて首元の絆創膏を全て剥がし終えたAは、改めて鏡の中の自身を見てみる。





『…っわ…。』





Aは再び驚きの声を出した。

その理由は、鏡の中の自身が絆創膏を貼っていた時よりも、酷い姿をしていたからだ。

今まで素肌を隅々まで隠していたからだろう。

全てを曝け出した途端、Aの身体はどこ艶めいた雰囲気を纏っていたのだ。





『…。』





鬱血した箇所に触れると、僅かに痛みを感じる。

これは恋人に愛された証なのだ、とAは思うと、鏡の中の自身へ微笑み掛けたのであった。

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みゅん(プロフ) - 焦げた春巻きさん» 焦げた春巻き様コメントありがとうございます!そんな風に思っていただけるのは嬉しい限りです!応援ありがとうございます! (2022年3月19日 6時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
みゅん(プロフ) - おもち。さん» おもち。様コメントありがとうございます!そう言って頂けるのはやっぱり嬉しいです!ありがとうございます! (2022年3月19日 6時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
みゅん(プロフ) - ???*??さん» ???*??様コメントありがとうございます!現在は作品整理をしている最中ですので申請をお受けするのが難しい状況にございます。折角のお話でしたのに申し訳ありません。ただ、特別公開をする事がございますので、その際にでも読んで頂けましたら幸いです。 (2022年3月19日 5時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
みゅん(プロフ) - ほーんりさん» ほーんり様コメントありがとうございます!お心遣いに感謝いたします!ありがとうございます! (2022年3月19日 5時) (レス) id: a9a2211c25 (このIDを非表示/違反報告)
焦げた春巻き(プロフ) - うああ夢主が救われない…心痛むけど展開が気になる作品です!これからも応援しています。 (2022年2月23日 15時) (レス) @page20 id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅん | 作成日時:2021年11月4日 2時

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