【名探偵コナン】 Don't get into the danger zone 2nd

56episode ページ8

話しかけてきたのは、綺麗な黒髪のおばあさん。突然のことに固まっていると、先ほどの叫びを聞いていたのか日本語が理解できないのだと解釈し、

「Quoi de neuf?(どうしたの？)」

フランス語で聴き直してきた。Aはハッとして返事をする。

「…Je suis perdu sur la route.(道に迷ったの)」

自分の幼い声に改めて驚きつつもそう言うと、彼女は少し目を開いた。

「Il est très!!(それは大変！)
Voulez-vous appeler maman ou papa?(ママかパパに電話しましょうか？)」

ママかパパ？そんなのいるわけない！…と思ったが、今の姿はただの幼女。迷子になるくらいなら、途中まで親といたのだろうと思うのが普通だ。この人はーー利用できそうだ。Aは少し目を伏せて、悲しげにぽつりと呟いた。

「Papa aussi être maman morte.(……パパもママも死んじゃった)」

「えっ…？」

「Il n'y a pas de maison... Quand je marche...j'étais venu ici...(お家もないの。…それで、歩いてたら…ここまで来ちゃって……)」

この女の人、見た所身につけているものはどれも高価そうなものばかり。それにどこかで見たことがあるーー彼女は丸蟹財閥会長の丸蟹一郎の妻、丸蟹心ではないだろうか。

テレビで何度も見たことがある。世界的にも有名な鈴木財閥と肩を並べるほどの財閥だったはず。それに、次期会長候補の男がーーたしか組織に関係していたはず。

彼女は少し固まっていたが、事情を察したのか、優しくAの頭を撫でた。

「.....Vous auriez été douloureux...(.....辛かったわね…)
Venez à moi vous sortir.(私のお家においで)」

「Quoi? Est-ce que vous bien…?(えっ？…いいの？)」

「Bien sûr. Tout le monde moi de vous accueillir dans ma maison.(勿論。私の家ではみんな貴方を歓迎してくれます)」

Aは大きくガッツポーズをしたいところをぐっとこらえて、持ち前の演技力で儚げに笑って頷いた。



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丸蟹(まるがに)財閥
Aを引き取った。Aがこれから多く利用していくことになる。
鈴木財閥に並ぶ権力を持つ。
特に重要だと言うわけでもないし、物語に支障を与えるわけでもないので、そこまで重要視しなくてもいいかと思われる((

モデル:ジュスタン・ガニマール

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