53episode ページ5
ぴくりと肩を揺らし、少し俯く。どうやら彼は本気で怒っているみたいだ。
「…とにかく、今日は安静にしていてください」
顰めっ面のモネの手を引いて、車があるであろう方向に向かって歩き出す。と、その時だ。
「あれ、モネ？」
名前を呼ばれて振り返ると、そこには快斗がいた。これから学校に向かうところだったのか、カバンを肩にかけ、通り過ぎようとしたままで止まってこちらを見ていた。
バーボンが快斗に気を取られて一瞬手の力を緩めた。モネはパッと表情を変えて、するりと手を解いて快斗に駆け寄る。バーボンが小さく「あ、」と呟いたのは気のせいだ。
「快斗！会いたかったわ！」
「おまっ…今までどこ行ってたんだよ？！」
肩ーーではなく、腕をがちりと掴まれ責められる。少し痛むが、家に連れ戻されるよりかはマシだ。
「え？ちょっと家に帰っただけよ？フランスの」
「家に帰ったァ？！なんで言ってくれなかったんだよ！」
「……言ってなかったかしら。」
持ち前の演技力できょとん顔を作って見せると、快斗は大きく溜息を吐く。まぁ、人を殺 しまくった挙句怪我をした、なんて物騒な事実を教えられるわけがない。
「ふふ、ごめんなさい」
何かぶつぶつと呟いている快斗の髪を優しく撫でると、「なっ、、？！」とまるで赤い果実のように顔を真っ赤にする。しながら横目でバーボンの様子を伺ってみると、彼はじっとこちらを睨んでいたので、すぐに逸らした。
「こ、子供扱いすんじゃねぇよ！同級生だろ…」
「あら、子供扱いなんてしてないわ？スキンシップよ。スキンシップ」
なるべくバーボンに背を向けて話す。家でじっとしてるなんて無理に決まってる！そう断言できる自信がAにはあった。
「スキンシップ、って…。……今日は学校来るんだろ？」
「えぇ、もちろーー「モネ？」ーーん、」
だが案の定、バーボンに言葉を遮られた。もう少しで上手くいくところだったのに！溜息を吐きたい気持ちでいっぱいになりながらも振り向くと、バーボンがこれはもう綺麗な笑みを浮かべて手招きしていた。
なんとなくじわりと汗が滲む。
「…アー、ちょっと待ってね」
「お、おう？」
なんとしてでも、私は学校に行ってやるんだから！強く決意をしたが、それはあっという間に崩れさせられた。
「……分かってますね？」
バーボンのその威圧によって。
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ルチア(プロフ) - 更新頑張って下さい。 (2017年7月25日 6時) (
レス) id: 0f75b247de (このIDを非表示/違反報告)
ルチア(プロフ) - ヤバイです。面白すぎます。何この夢主、カッコよすぎか！ (2017年7月25日 6時) (レス) id: 0f75b247de (このIDを非表示/違反報告)
名無し仮面JC号(プロフ) - 倉木 勝さん» 混乱させてしまい、申し訳ないです;;一応、詳細は後に分かるようにしますが、主人公ちゃんの過去でも生い立ちでもありません。なんというか、過去を作る、といった不思議なもので…少しファンタジーチックになってしまいますが…簡単に言えばそんな感じです！ (2017年5月14日 0時) (レス) id: 79886209dd (このIDを非表示/違反報告)
倉木 勝(プロフ) - 今更なんですが、この子供の姿の話は現在ではなく過去の話ですか？主人公ちゃんの今までの生い立ちですか？少し混乱してしまって、理解力がなくてすみません（；＿；） (2017年5月13日 23時) (レス) id: bb3d364658 (このIDを非表示/違反報告)
名無し仮面JC号(プロフ) - 倉木 勝さん» ありがとうございます…！頑張ります！！ (2017年4月14日 22時) (レス) id: 260010bfd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Milky0773/
作成日時：2017年4月8日 23時
