50episode ページ2
「…マグナムちゃんが、どこにあるって?」
それからは一瞬だった。少しずつ赤井に近づき、赤井の手元めがけて回し蹴りをする。最初に言った通り一瞬だったから、赤井の反応が遅れて、手元からマグナムが落ちる。賺さずバイオレットがそれを捕まえる。
そしてすぐに銃口を赤井に向けると、彼は肩を竦めて両手を上げた。
「武器を持った女は怖いな」
「あら、これから死ぬっていうのに随分と余裕そうね?」
片足を床についてニヤリと口角を上げる。
「まぁ…君が俺を殺せるとは思っていないからな」
「…どうかしら」一瞬眉間に皺を寄せたが、すぐに笑みを作る。
「俺を絞め殺すならまだしも、マグナムちゃんとやらの銃弾は抜いておいたからな」
ーーなんですって?
試しに一発床めがけて撃ってみるが、パァンという音だけで銃弾はでない。どうやら、嘘はついていないようだ。チッ、と舌打ちをして床に投げつける。
「いいわ。一応私も貴方に借りがあるしーー今日は逃がしてあげる」
立ち上がって肩にかかった髪を払う。「それは命拾いをしたようだ」なんて余裕そうに笑っている赤井を無視して、ドアノブに手を掛ける。
「じゃあ、また会いましょ?今度はちゃんと敵同士として」
「待ってくれ」
「…何?」
折角格好つけて去ろうとしたのに、呼び止められた。空気を読んで欲しいものだ。少しうんざりしつつも振り返ると、マグナムちゃんから外されたはずの銃弾が飛んでくる。撃たれたわけではない。赤井がそのまま投げたのだ。一つだけ。バイオレットはしっかりとそれを受け取り、首を傾げる。
「これで貴方を殺せって?」
「殺せるのなら」
その余裕な笑みを真っ赤に染めてやりましょうか。少し腹が立って本気で銃弾をセットしようとして、あるところに目が止まる。銃弾に、何か書いてあるーー電話番号ーー多分、赤井のだ。この小さくて沿ったものに字を書くなんてーーその器用さを無駄遣いし過ぎじゃないだろうか。
「…何がしたいわけ?」
「いずれ必要になるだろうと思ってな」
「あら、そう。貴方は預言者か何か?」
「どうだろうか」
バイオレットは部屋のドアを開けてから、改めて赤井を振り返る。
「またね、
ガチャン、とドアが閉まる。
「…
__________________________
248人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルチア(プロフ) - 更新頑張って下さい。 (2017年7月25日 6時) (レス) id: 0f75b247de (このIDを非表示/違反報告)
ルチア(プロフ) - ヤバイです。面白すぎます。何この夢主、カッコよすぎか! (2017年7月25日 6時) (レス) id: 0f75b247de (このIDを非表示/違反報告)
名無し仮面JC号(プロフ) - 倉木 勝さん» 混乱させてしまい、申し訳ないです;;一応、詳細は後に分かるようにしますが、主人公ちゃんの過去でも生い立ちでもありません。なんというか、過去を作る、といった不思議なもので…少しファンタジーチックになってしまいますが…簡単に言えばそんな感じです! (2017年5月14日 0時) (レス) id: 79886209dd (このIDを非表示/違反報告)
倉木 勝(プロフ) - 今更なんですが、この子供の姿の話は現在ではなく過去の話ですか?主人公ちゃんの今までの生い立ちですか?少し混乱してしまって、理解力がなくてすみません(;_;) (2017年5月13日 23時) (レス) id: bb3d364658 (このIDを非表示/違反報告)
名無し仮面JC号(プロフ) - 倉木 勝さん» ありがとうございます…!頑張ります!! (2017年4月14日 22時) (レス) id: 260010bfd8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ありす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Milky0773/
作成日時:2017年4月8日 23時