【刀剣乱舞】審神者Lv14の虚弱虫、ブラック本丸へ飛ぶ【弐】

第55話 ページ8

Noside


主の姿が見えないことに気づいた一期一振は、こんのすけに声をかけた。



｢こんのすけ殿、主殿を知りませんか？｣

｢主様ですか？んんー………じっとしていられない主様のことですし、どこかで掃除でもしてそうですよねぇ。病み上がりのくせに……………｣

｢掃除……ですか。しかしこの本丸は掃除すべき所が多すぎて…………さて、どこから探したものか｣

｢とりあえず本丸を適当に歩き回ってみましょう。主様なら誰かしらに捕まっている気がしますから｣



そう言ってこんのすけは、一期一振の肩に乗る。


本丸内を歩いていると、探していた人物は案外早く見つかった。



｢小狐丸殿………と、主殿？｣

｢主様……縁側で無防備に寝るなとあれほどっ…………｣



小狐丸の膝を枕に、審神者はすやすやと眠っている。



｢髪を梳いていたのですがお疲れだったようで。眠ってしまいました｣

｢むむむむむそんなに気持ちよさそうに寝られたら起こすに起こせないじゃないですかぁ…………！！｣

｢まぁまぁこんのすけ殿。……ところで、小狐丸殿はどうしてこちらに？｣

｢ぬしさまが困っていたところを助けたら、毛繕いをしてくれまして。
今はそのお返しに、ぬしさまの髪を梳かせていただいていたのですよ｣



少し笑って、小狐丸は彼女の髪をさらりと撫でた。



｢………それにしても、やはり主様は警戒心が無さすぎるのです！｣

｢なんと言いますか……いつもはあれほど警戒しているのに、いざと言う時に無防備なんですな、主殿は｣



そう言って、一期一振は呆れたように笑った。

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