【刀剣乱舞】審神者Lv14の虚弱虫、ブラック本丸へ飛ぶ【弐】

第78話 ページ31

あれから2ヶ月程の療養期間を経て、私は本丸に戻れることになった。

治療を担当してくれたのは繍さん。

繍さんは戦闘より医療特化なんだとか。
ちなみに倖さんは戦闘にガン振りらしい。すごい。

運ばれてきた時の私は出血は酷いわ霊力はそこをついているわで酷い有様だったらしい。

それを治してくれた繍さんに心の底から感謝。

繍さんは体力増強の効率のいい、それでもって身体に負担をかけにくい方法を教えてくれた。

そのおかげで、私も人並みに動ける身体を手に入れたのだ。
今まで通り薬は飲まなくちゃだけど、倒れなくなるのは随分ありがたい。


ちなみに葉風と伊折は、それ相応の処罰が下ったらしい。

どんなものかは教えてもらってないけど、二度と本丸には…というか、まず時の政府の施設に来れないみたい。ならいいや。


それと、私が眠っている間、凛花が偶に顔を見に来てくれていたらしい。

…私が起きてからは1回も来てくれなかったけど。


施設に入るにあたって、審神者名……では無いけれど、別の名前が必要になった凛花が名乗った名前は、瑞希。

凛花がゲームで使ってた名前。
だから凛花がその名前を使うことに違和感はないのだけれど。

これから時の政府関連の場所で会う時には凛花じゃなくて瑞希と呼ばなきゃいけないわけで。

それについては、違和感がすごい。
というか名前呼んで誤爆する自信しかない………


繍さんにその事を相談すれば、“彼女がここに来ることはそうそうないと思いますが、一応”とか何とか言って、飴玉を渡してくれた。

なんとこの飴玉、口から真名がぽろっと出そうになった時偽名の方に発声を変えてくれるとかいう優れもの。

しかも1回食べれば効果無期限、らしい。

現代技術、恐ろしい。

凛花にも同じものを食べさせたみたいで、私もその場で食べてみたのだけれど。


…………めっちゃ不味かった。二度と食わん。


そんなこんなで帰る支度を済ませ、本丸へのゲートへ向かう。

ゲート管理人のおばさん達に挨拶をして、初日ぶりのゲートの前へ。


｢Aちゃん、行ってらっしゃい！｣

｢お気をつけて｣

｢はい！行ってきます！！｣


初日とは比べ物にならないくらいの笑顔を浮かべて、私はゲートへ飛び込んだ。

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