47 ページ6
この大会のルールは至ってシンプル。
一体一のトーナメント方式で、勝利条件は相手を戦闘不能にさせる、又は相手に降参させること。
殺害行為、降参した後も攻撃を続ける等の行為は禁止。
節度とルールを守って楽しい闘技大会！……らしい。
そんな大会の様子を、救護所の椅子に腰掛けてぼーっと眺める。
リアちゃんに魔法だけかけてもらったから、今の私は誰にも視認されてない、はず。
飛び交う魔法、華麗な剣さばき。
｢すごい、なぁ………｣
｢でしょ？｣
｢っむぐっ！？｣
反射的に叫ぼうとした瞬間、口を塞がれた。
｢救護所ではお静かにお願いしまーす｣
｢ほ、ほへんははい………｣
私の口から手を離したきりやん様は、私の隣の椅子へと腰掛ける。
………あれ？
｢え、あ！？魔法かけてもらったのにどうして私の事見えてるんですか…！？｣
｢なんでって……かけてもらってるところ見てたから位置は知ってたし。喋った瞬間出てきたから、その魔法喋ると解けちゃうんじゃないの？｣
“今思いっきり独り言呟いてたでしょ”、ときりやん様。
｢あ、そうだった…………｣
｢え、何本当に喋ったら解けちゃうの｣
きりやん様の言葉にこくりと頷くと、きりやん様は肩を震わせて笑い出す。
どうせ私が馬鹿でしたよ！好きなだけ笑えよ！！
せっかく目立ちたくなかったから魔法かけてもらったのに、秒で解いちゃうようじゃ全く意味がない。
リアちゃん自分の仕事終わるまでこっちこれないからかけ直して貰えないのに。あーあ！！
｢そんなに目立ちたくないの？｣
｢そりゃあ………余計な反感は買わないに越したことないでしょう？｣
｢それもそっか。……ま、この救護所外からあんまり見えないし。目立つことも無いでしょ｣
………きりやん様に話しかけられてるって時点で救護所のメイドさんには結構見られてますよ、なんて言えない。
とりあえず話を変えるべく、当たり障りない話題をきりやん様に振ってみる。
｢きりやん様、こんな所でのんびりしてていいんですか？試合ありますよね？｣
｢あるけどあと2試合後だし……あ｣
｢？｣
｢そういえば俺1試合目の対戦相手、きんときなんだよね｣
｢……えっ、ぅえっ！？きんとき様！？｣
｢うん、きんとき｣
にこにこ笑ってこちらの反応を伺うきりやん様は、動揺する私を見て楽しんでるみたいだった。
うーわ、悪趣味！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1475人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あかもち - 1月11日のワイ「😭😭」続きが､､､続きが気になります､､､更新待ってます､､､ (1月11日 22時) (
レス) @page17 id: ff68a621b9 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - コメント失礼します！やっぱ何度見ても面白くて大好きです！いまだに読みにきちゃいます笑今日気づいたのですが題名って後編の実写のたった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよを元にしてますか！！違ったら少し恥ずかしいのですが…これからもずっと応援しています！ (8月3日 3時) (レス) id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 7/24に見ている私。続き楽しみにして待ってますね!! (7月24日 20時) (レス) @page17 id: 38eebacbdf (このIDを非表示/違反報告)
あかもち - 7月4日にまた見たワイ「(┬┬﹏┬┬)」 続き楽しみにしてます！！ （二回目） (7月4日 22時) (レス) @page17 id: 057b0a6fab (このIDを非表示/違反報告)
ルベルナ(プロフ) - 同じく3/30日に見てる私。続き楽しみに待ってますから！！ (2023年3月30日 0時) (レス) @page17 id: 5c3b65f0f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らび | 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月31日 14時
