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家のチャイムがなった。外はすっかり赤く染まって、土砂降りの雨が降っていた。
｢はーい｣
声を上げながら玄関に向かい、ドアを開けた。
｢やぁ、鬱くん｣
ぽたぽた。髪の毛はびしょびしょで水が滴り、服は透けて下に着ているタンクトップが見えている。
肩紐が2本あるのはブラの分だろうか。ごくり、生唾を飲み込んだ。Aちゃんだ。
｢な、なんで……家知って、それに、びしょ濡れだし……｣
｢ふふ、びっくりした？ごめんね、急に。傘、持ってないの｣
｢あ、え、えと、た、タオル……取ってくる…！｣
あぁ、嫌だ。吃りまくって、言いたいこと言えなくて。
もっと、大丈夫？とか言えただろうに。ドタバタとタオルを取りに脱衣所に駆け込んで、大きめのバスタオルを掴んで玄関に戻る。
｢こ、これ｣
｢わぷっ、ありがとう｣
家の中に入るのを促せば、申し訳なさそうに玄関まで入ってくる。
｢ど、どうしたん？｣
家に入ってもらって、なんとなく嫌な予感がした。
気の所為だと、今日すれ違った人の匂いが残っていただけだと、思いたかった。
｢鬱くん、私より慌ててるの、変なの｣
なんて言ってくすくす笑う名前ちゃん。あぁ、だめだ。
｢あのね、私さ｣
｢人を、殺したの｣
ぶわっ
匂いが、広がった。
甘い、あまい、胸焼けがする匂い。
あぁ、そんな、どうして、なんで、君が、誰を、
今まで、嗅いだことのないくらい強い匂い。
嘘なんかじゃない。
彼女は、人を、殺したんだ。
外は、土砂降りの雨で、雨と、水の匂いでいっぱいだった。
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まつりか(プロフ) - めっちゃ好きです…獣人zmさんの話と昇降口のshaさんの話が特に好きです!!言葉選びのセンスと知識に圧倒されるみたいな気分で読んでました…無理のない範囲で更新があることを心待ちにしてます! (2021年9月19日 17時) (
レス) id: cead0b39db (このIDを非表示/違反報告)
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