鷹の俊足戦士を追いかけて

兄妹だと思ってない ページ16

今宮 「やっぱりAちゃん、坂本さんの妹か！」


和子 「今宮くんも気づいてた？」


今宮 「いや、笑った顔がそっくりだろ」


　 『言われたことなかったです』


どうやら、今宮さんは私の兄が勇人にぃだと気づいていたらしい。


　 『でも、血のつながりがなくても、私と佑京も兄妹だもんねー！』


今宮 「ほんっと、Aちゃんは佑京が好きだな〜」


和子 「東京でも『佑京が〜佑京なら〜』ってずっと言ってた笑」


　 『そんなことないですよ〜』

笑いながら佑京の方を見ると難しい表情をしていた。


　 『佑京？どーしたの？』


　 「…俺はもう、Aのことを妹として見てないから」


そう言うと佑京はお金を置いてお店から出て行ってしまった。
佑京にそんなことを言われたのは初めてだったので私は今にも泣きそうになった。


　 『私…なにかっ、してしまったのでしょうか』


今宮 「あいつ、それはないだろ…和子さん！お金置いとくね」


和子 「Aちゃん、落ち着いて！きっと何かの間違いだよ！」


今宮さんは佑京を追いかけて走って行った。


　 『和子さん、家に帰ってもいいですか？』


和子 「うん…いつでも頼ってね？」


和子さんは心配そうに私のことを見送ってくれた。



兄妹だと思ってたのは私だけだったのかなぁ…


〜その日の夜〜


坂本 「A〜、東京どうやった？楽しかったろ！」


勇人にぃを心配させないよう出来るだけいつも通りのテンションで話す。


　 『うん！また遊びに行くからね！』


坂本 「なんか、鼻声っぽくない？風邪？」


　 『あ〜、そう！ちょっと体調わるくてさ〜！でも、元気だよ』


坂本 「あんなぁ〜、無理せんでええから…辛かったらいつでもコッチ来いよ？」


きっと勇人にぃは、鼻声が風邪のせいではないと気付いているだろう、
けれど理由は聞いてこなかった。


　 『うん…ありがとう、じゃあ、頑張ってね！おやすみ』


坂本 「おー、おやすみ」


佑京との不安を抱えながら眠りについた。

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