行方不明の兄を発見しました。 (ページ30)

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悩みの種　２９　＜注意＞ページ30

「(どうしよう、考えて私)」

頭の中が白くなりそうなのを耐え、必死に考える

「ねぇ、返してよ」

「返さない.....」

「しつこいわね！」

「ぃた」

平手打ちをされた

左頬がじんじん痛む

「健二、やちゃって」

「はいよ～」

今までどこにいたのかわからなかった

「さて、蓮くんの所にでも行こうかな～」

「や、やめて！」

「はあ？」

「これ以上、彼を苦しめないで、傷つけないで」

「それは貴方がさっさと彼と別れれば済む話でしょう？」

「諦めない、昔彼を捨てた貴方なんかに絶対負けないから！」

「捨てたね、彼にはそう見えてるのかも」

「え？」

「だって私は一度彼を手放しただけよ、健二と結婚するためにね」

「(どういうこと？手放した？)」

話せば話すほど話がわからなくなってくる

絡まりあって真実にたどりつけない

「ま、こんな話は貴方にしても関係ないけどね」

「ま、待ってよ！」

おいかけようとすると萩野くんが後ろから私の体を引っ張る

「離して！」

「無理だ」

「どうしてよ....」

なんで、こんなに邪魔するのよ.....

「いやぁ！」

壁に押し付けられ、首筋に生暖かい何かが触れる

「離して！離しなさい！」

必死で攻防するが手も足も出ない

「いやだぁ」

蓮くん以外の男に触られるなんて耐えられない

「君達！そこで何やってるのかね！？」

「チッ」

運良く、見回り中の警察官が声をかけてくれた

「君、大丈夫か？」

「大丈夫.....です」

「よく見れば、如月の妹さんじゃないか」

「あ、橋本さん」

お兄ちゃんの同期で仲が良かった警察官の人だった