許婚として (ページ4)

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４２話ページ4

「一条ではどうだ、上手くいってるか」

「はい、良くしてもらっていますよ」

「......目の近くに傷がある、何かあったか？」

「流石ですね、少し物の怪と....」

「そうか、傷も薄いし無事ならそれでいい」

「はい」

気づかれると思ってなかった

包帯もしてないし、傷も薄い

流石としか良いようがない

昔から私のことには鋭かった

他のことには鈍感だったけどね

「A」

「はい」

「許婚が出来た」

「あ、そうでございますか」

「意外だな、もっと驚くかと思った」

「雄二様は良いお方ですし、そろそろだと思ってましたよ」

「そうか、政略ではあるが昔から馴染みのあった者だ、Aも知っているだろう」

「そうですか、尚更安心しました」

「それだけだ、自分の口から言いたくてな」

「お幸せになってください」

「あぁ」

頭をくしゃっと撫でた

「それじゃあ行くな」

「はい、お気をつけて」

私は雄二様を見送った