行方不明の兄を探します。part.2

捜索６４日目 ページ18

それに良く考えてみる

お兄ちゃんと由愛さんの愛を一番近くで長く見てきたのは私だ

あんなに深く愛し合っていたのに不倫するのか？

成瀬の考えはちゃんと理由がある

それに比べて私は自分の予想を言っただけ

それに由愛さんの前でお兄ちゃんの悪口を言ってしまった

もしかしたら由愛さんの倒れた理由はストレスじゃなくて私のお兄ちゃんに対する悪口から？

嫌な考えが止まらない

頭が痛いのに更に痛くなる

「如月」

「っ！」

「話してくれてありがとう、疲れただろ？少し寝ろ」

「うん.....ありがとう」

成瀬が考えすぎる脳を消してくれた

成瀬はずっと助けてくれる

苦手だったときも私が気づかないときに重い荷物を運んでくれていたり

当時は気づかなかったけど今になって思う

成瀬は優しい男の人だって

あの頃の自分に言ってやりたい

“馬鹿な考えはやめろ、目の前のことをちゃんと見ろ”ってね

「おやすみ成瀬、本当にありがとう」

私はそう言って目を瞑った






「起きたか？」

「うん」

少し寝て、美味しそうな匂いで目が覚めた

「食べれるか？熱少し下がったと思うんだが.....」

「そうだ、測ってなかったもんね」

私は成瀬に体温計がある場所を言い、とってきてもらった

ピピピピピピ

「３７．７か、まだ少しあるな、頭痛いとかあるか？」

「ちょっとズキズキするけど大丈夫」

私は成瀬が作ってくれたうどんを食べる

「美味しい....」

食欲もあったのですぐに食べ終えてしまった

「ありがと、美味しかった」

お礼を言い、器を渡した

「昨日より元気そうで安心した」

成瀬は満面の笑みだった

昨日相当心配させてしまったのだろう

申し訳なかった

「あのさ、如月ってお兄さんのことどこで調べてもらった？」

「隣町の結城探偵事務所さん」

「あぁ、有名な所か」

「うん、そこで行方不明になった数週間後ぐらいから調べてもらったの」

「有力な情報が掴めたのっていつぐらいだ？」

「えっと、たしか１ヶ月前ぐらいだったと思う」

「そうか」

「それぐらいからお兄ちゃんの元カノと一緒にいる写真が出てきたの」

「何で元カノって分かったんだ？」

「昔何回か一緒に遊んだことがあるの」

「そうだったのか」

「うん」

少し重い空気になってしまった

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