行方不明の兄を探します。part.2 (ページ13)

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捜索５９日目ページ13

「早く帰ろう....」

社内を歩く

「駄目、頑張ってよ」

気分が悪く、ふらふらする

「うぅ.....」

吐きそうになり、廊下でしゃがみ込んでしまう

「家に帰って、お兄ちゃんのこと考えないといけないのに....」

これからどうするか考えないといけない

それに由愛さんがいない今、家を守れるのは私だけ

泥棒だったりで、何かあったらもっと顔向けできなくなる

「ふぅ」

深く深呼吸し、ゆっくり立ち上がる

「やだ....」

視界が白くなり、倒れた

はずだった

「あ、れ？」

いつまで経っても痛みがこない

「あっぶないな、大丈夫か？如月」

「なる、せ....」

なんでこんな時間にいるのが謎だったけどそんなことどうでもよかった

視界がぼけてくる

「ちょ、何で泣きそうなんだよ！」

「ごめ....」

頭はがんがん痛むし、吐き気は直っていない

だけど、妙に安心できるのは成瀬がそばにいるからだろう

「顔色悪いな、おぶる」

「ありがと....」

私は素直に成瀬の背中に乗った

「軽い、ちゃんと飯食ってるか？」

「食べてるよ....」

喋ってるだけで息が切れる

「ヤバイな、少し走るぞ」

「う、ん」

どんどん体調が悪くなっていくのが自分でも分かる

「着いたぞ、入れるか？」

「無理そう....」

「鞄の中、漁るぞ」

「うん」

私は成瀬に任せた

「部屋どこだ？」

「そこ曲げって、手前」

「分かった」

部屋に入ると、ベットに寝かせてくれた

「誰もいないんだな」

「うん、ちょっと入院してて....」

「そうか、心配だから泊まってもいいか？」

「お願い....一人じゃ何もできそうにないの....」

「あつ！熱あるな....朝からだるかったか？」

「分かんない、ずっと体重いから....」

「疲れがここで出たんだな」

私はパジャマを出してもらう

「後ろ向いてるから着替えろよ」

「うん」

私はゆっくりだったけど着替えた

「台所とか使うけど、いいか？」

「大丈夫....」

言ったと同時に意識がプツンと切れた