行方不明の兄を探します。

捜索４７日目　成瀬side ページ48

「よし」

俺は仕事が終わったから荷物を持ち、廊下を歩いた

「はぁ、疲れた」

肩を回しながら歩いていると藍染が走ってきて、肩を掴んだ

「何だよ！？」

般若のような怖い顔をしている

「あんた、何でAと帰ってないのよ！」

「は？」

「A、成瀬に電話したはずなんだけど」

「あぁ、７時ぐらいにかかってきたけど」

「内容は？一緒に帰ろうとかじゃなかった？」

「いや、今仕事してるかって」

「はあ、A〜それじゃ分かんないよ〜」

「？」

「Aさ、今日仕事早く終わったから成瀬と一緒に帰れば？って提案したの」

「！」

俺は藍染のその言葉で理解できた

あの電話は一緒に帰ろうって言うための電話だったんだ

「(くそ、嘘付いてでも終わったって言っとけばよかった)」

そのことを察せない自分にも後悔した

「A、優しいよね」

「あぁ」

俺は会社を出て、如月に電話をかけた

「もしもし」

「もしもし、成瀬だけど」

「どうかしたの？」

「今日一緒に帰れなくて悪かったな」

「え？気にしなくていいよ、仕事忙しいのは仕方ないからね」

「これからは仕事中でも遠慮なくかけてきていいから、それと一緒に帰りたいときは言ってくれ」

「うん、分かった」

「じゃ、おやすみ」

「うん、おやすみ」

電話を切った

「可愛いな、如月は」

回りくどい言い方して

「ツンデレかよ」

仕事以外ではあまり物事を素直にいえない性格であると藍染に聞いていた

俺もそうだからドカンと言ってくれないと分からない

「俺も積極的にいかないとな」

俺がいけば如月も自然と言ってくれるようになるだろう

「頑張るか」

俺が如月をリードしてカッコいい男になりたい

そう思うほど如月に惚れ込んでいる

「よし」

俺は気合をいれた

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