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捜索32日目 ページ33

「ねぇ、A」

「どうしたの?」

「お兄さんが見つかったらどうする?」

「殴って由愛さんに会わせる」

「そうだよね」

「急にどうしたの?」

「ちょっと気になっただけ」

「そっか」

いつもの様子と違う

沙良だって人間だからストレスが溜まるだろう

「私仕事に戻るけど、沙良はどうする?」

「まだここにいる」

「分かった」

私は先に仕事に戻った

「......」

沙良の様子が気になる

でもそれは私の役目じゃない

彼氏である宮本さんが異変に気づいてどうにかしてくれるだろう

カタカタ

「沙良、体調悪そうだからもう帰ったら?」

「でも、まだ仕事が....」

「大丈夫、私がしておくから」

「ありがと、お言葉に甘えて」

「うん、任せて」

私は沙良を帰らせた

今の時間なら宮本さんと一緒に帰れるだろう

帰るのは遅くなるけど沙良のためだ

頑張ろう

「よし」

私は肩を回し、仕事を再開した


「ふぅ、終った」

10時すぎ、仕事が終った

「お疲れ様」

「お疲れ様です!」

残ってる後輩に声をかけ、社内から出た

「ふぅ」

私は深呼吸しながら帰路を歩く

ストーカーが捕まってるって分かっていてもまだ恐怖心がある

「.....」

自然と早足になってしまっていた

「如月!」

「あ、成瀬......」

角を曲がろうとすると成瀬に会った

「お前、ストーカーされてるのに一人で大丈夫なのか?」

「大丈夫、昨日捕まったから」

「そうか」

「ねぇ、営業部ってこんなに遅くならないよね?」

ふと疑問に思った

営業部は残業してても9時までには終わるはずだ

「心配だったんだ」

「誰が?」

「お前が」

「え!?」

思わず声に出して驚いてしまった

「一昨日尋常じゃないぐらい震えてたし」

「.....」

「(いけ私、素直にお礼を言わないと!)」

「あ、ありがと....」

小声だったけどハッキリ言えた

「それとこの間のことも....」

「この間?」

「姉の出産時の時、タクシー代払ってくれたでしょ?」

「あぁ、あの時か」

「お礼、言えてなかったし....」

「別に気にしねぇよ」

「そう」

私は心の中でお礼を言えたことを喜んでいた

「じゃあ」

私は実家の方に向かって歩く

「お前、家そっちだったか?」

「今実家に帰ってるの」

「そうか」

会話はそれで終了した

帰る方向も逆だし

「はぁ」

成瀬がいなくなってからため息が出た

「何でこんなに冷たくなるんだろ....」

もっと素直になりたいのにな

 

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設定タグ:恋愛 , 行方不明 , 女主   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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伊東と田中(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます!!そう言ってもらえて凄く嬉しいです★ (2019年12月14日 23時) (レス) id: a1062f9285 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 面白かった!クオリティが高いですね!続編行ってきます★ (2019年12月14日 23時) (レス) id: d935f18f17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊東と田中 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miku0417Mi1/  
作成日時:2019年8月12日 22時

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