行方不明の兄を探します。

捜索１８日目 ページ19

「ふぅ」

今日は特別な仕事が入っていた

近くに会社の総務部が集まり、会議を開く

年に一度の会議がある

「部長、行きましょう」

「あぁ」

前回は沙良と部長だった

でも今回は私と部長だ

沙良は別の仕事が入っていたから私になった

沙良の代わりは悔しかったけど実力が足りてない自分だから仕方ない

「如月くんはこの会議は初めてか？」

「いえ、二度目です」

「そうなのか」

前に来たのはまだ２年前の時で部長は今の部長ではなかった

前の部長は定年退職で辞めてしまった

「北村総会社総務部、丸泉と如月です」

「はい、確認いたしました」

会議場所は十王院グループが経営している会社の会議室

優秀な人材が自社よりもたくさん集まっている

「(緊張するな、総務部はどこも優秀な人ばっかりだからな)」

私は粗相のないように振舞うことに意識を向けた

シーン

会議室に入ると流石総務部会議だ

声がしない

あるとすれば紙をめくる音、タイピングの音、息をする音だけだ

「(流石だ)」

ピリピリしているしている空気の中、会議室が始まった

「十王院王太郎だ」

十王院グループの会長

「今回の議題は今の総務部のありかについてあたる」

私は一言一句聞き逃さないように真剣に聞く

「会議はいじょ....」

会長がそう言い終える前に目の前に座っていた総務部の人が苦しみだした

「(何だ？)」

私は状況を掴めずにいた

「ぅ」

周りの人が急に苦しみ始めた

「ぁ」

私も息苦しくなってきた

私達総務部はこの部屋から急いで会長を外に出す

会長に何かあればこの場にいる皆に責任が問われるだろう

それは命に代えても阻止しなければいけない

「十王院会長、早くお出になってください....」

出るのを渋っている会長を押し出し、私は扉を閉めた

「ぅ....」

大半の人が意識を失っている

「......」

私もついに意識が飛んでしまった

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