捜索13日目 ページ14
「部長、今いいですか?」
「どうしたのか?」
「姉が陣痛を起こしたので早退することは可能でしょうか?」
「それは緊急だ、仕事を持って早退しなさい」
「はい、ありがとうございます」
私はパソコンと大量の資料を持ち、病院に向かう
「たぁ」
途中で人にぶつかり資料をばら撒いてしまった
「すいません」
私は謝りながら資料を拾う
「如月?」
「成瀬....」
最近よく会う成瀬だった
「さっさと....」
私は自分の手が震えていることに気づいた
「(駄目だ、こいつに見られたら弱みを握られてしまう)」
私は見られないように隠しながら資料を拾う
「こんな所で何してんだ?」
「関係ないでしょ、色々あるのよ」
拾い終わり私は走って外に出て、タクシーを拾う
「如月!」
「!」
手首を握られ、振り返される
「お前、何があったんだ?」
「......」
私は俯いて涙を隠した
「ん?」
いつもとは違う成瀬の声音に私は本音を零してしまった
「由愛さんが、お姉ちゃんが!」
「病院か?俺帰るから着いてく」
「うん.....」
私は成瀬と一緒にタクシーに乗り込んだ
「.....」
昔従兄弟が出産していた時があった
その従兄弟は何故だか分からないけど赤ちゃんと一緒に死んでしまった
その光景を思い出してしまい、更に震えが止まらなくなる
ずっと憎まれ口を叩いていた成瀬が優しくなってしまうぐらい
「如月」
「な、に.....」
「昔何があったかは知らねぇが心配はない」
「うん....」
今は成瀬の言葉を信じるしかなかった
「ありがと、ここまでで大丈夫」
私はぼそっと呟いた
「これタクシー代」
私はタクシー代を払おうとした
「俺が払うから早く行け」
「でも.....」
「早く行けって言ってんだろ!」
「分かった」
私はタクシーから降り、産婦人科に走った
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伊東と田中(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます!!そう言ってもらえて凄く嬉しいです★ (2019年12月14日 23時) (レス) id: a1062f9285 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 面白かった!クオリティが高いですね!続編行ってきます★ (2019年12月14日 23時) (レス) id: d935f18f17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊東と田中 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miku0417Mi1/
作成日時:2019年8月12日 22時