行方不明の兄を探します。

捜索３９日目 ページ40

「A〜戻ったよ〜」

「おかえり、リラックスできた？」

「おかげさまで！ありがとう！」

「全然、よかった」

沙良の仕事を返し、自分の仕事を終わらせる

「ふぅ」

コーヒーを飲みながら仕事を終わらせる

「(今日はいつもより静かだな)」

今日は色々な用事が重なり出払っている人が多い

だからいつもあるタイピング音が小さかった



「よし」

ようやく仕事が片付き、帰り支度を始めた

「パソコン持って帰らないと」

今日だけでは終わらない仕事を持ち帰り、家で進める

「Aごめん！今日一緒に飲みに行きたいんだけど仕事終わらなくて....」

「大丈夫だよ、仕事頑張ってね」

「うん！」

私はいつもりより少し重くなった鞄を持ち、社内を歩いた

「あ？如月じゃねぇか」

「！」

今一番会いたくない人に遭遇してしまった

沙良と今度成瀬に会ったとき告白するって約束してしまった

まだ会わないと油断していたから心の準備が完了していない

「え、えっと....」

私は思わず動揺してしまう大事なパソコンが入っている鞄を落としそうになった

「あ！？」

私は危機一髪で鞄をキャッチした

「ふぅ、危なかった....」

仕事用のパソコンだから凄くドキドキした

別の意味でもドキドキしてるけど

「何緊張してんだ？」

「へ！？」

成瀬に緊張を悟られてしまった

「(ど、どうしよう！)」

告白する言葉なんて決めてないし、どのタイミングで告白すればいいか分からない

だって告白するなんて数十年ぶりだし

「(言葉なんてどうでもいい、とにかく好きって伝えるんだ！)」

心臓が急にドクドクし始めた

「な、成瀬」

「何だ？」

「話があるんだけど、今大丈夫だよね？」

「あぁ、いいけど」

「ふぅ」

大きく深呼吸した

「あのね、成瀬」

「ん？」

「私、成瀬のこと“好き”なの」

「は！？」

「そ、それだけだから！」

私は言い逃げしてしまった

次に出る成瀬の言葉が怖かったから

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