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凪「……A？」
「なに」
凪「食べ過ぎ」
「うるひゃい！」
現在放課後、せいしろうと一緒に約束していたカフェに来ている。
2個までって決めてたけどショーケースのケーキを見てその決意が揺らいでしまったわけで。
どうせ、せいしろうが奢ってくれるからいいやっていうがめつさでつい頼みすぎてしまった。
そんなケーキにがっつく私を見てせいしろうはもちろん真顔。
「……あの、そんなに見られてると食べにくいんだけど」
凪「ん、気にしないで食べな」
「ジロジロ見ないでよ」
凪「いいじゃん、俺Aが美味しそうに食べてるとこ好きだよ」
「ふ〜ん、私可愛い？」
凪「うん、可愛い」
まあどうせせいしろうのことだから何も考えてないんだろうけど。
そんな彼のことはほっといてケーキに集中しよう。
何度か「カシャカシャッ」とシャッター音が聞こえたけど無視。
しばらく無言で食べ進めていると店の前に高級車が一台停まった。
凪「あ、お金持ちの人だ」
珍しく興味津々な彼を見て思わず振り返ってみると
「れおくん？」
玲「お！A！」
私に気づいてこちらに向かってくる。
玲「すげ〜ケーキの量だな笑」
「えへへ、せいしろうが買ってくれたんだ！すっごく美味しいの」
玲「Aってケーキ好きなのか？もっと食べたかったら買ってきてやるよ」
ニコッと眩しいほどのスマイル。
「ううん、あんまり食べすぎても夕飯食べられなくなっちゃうし……」
夕飯食べれんのかよなんてれおくんは笑ってるけど当たり前じゃない。
デザートは別腹だよ？
つい話し込んでいると
凪「ねぇ、俺もいるんだけど」
またまたお口ばってんの拗ね拗ねせいしろう。
「ごめんごめん、そんな怒らないの」
彼の柔らかい髪の毛をヨシヨシする。
凪「Aこいつのこと好きなの？」
「は？！」
突然この男何を言い出すかと思えば！
「れおくんは友達でしょ、おかしなこと言わないでよ」
確かにれおくんはカッコイイし優しいし人気な理由が分かるけどそういう感情は全くない。
凪「そういえばさAは何に怒ってたの？」
「ん？え？」
さすが凪せいしろう。
話がコロコロ変わってついていけない。
それに人がせっかくご機嫌にケーキを食べているっていうのに。
思い出してまた怒りが復活しそうになる。
「やっぱり全然分かってないね！バカ！ケーキでなんて釣られるもんか！」
凪「釣られてるけどね」
「う、うるさい！」
確かにな、と納得しそうになるのを堪えて残りのケーキを食べ進める。
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作者名：いちごちゃん | 作成日時：2023年3月22日 13時
