満月の夜の集会所【2j3j】 (ページ11)

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† Explain ページ11

カ「…という事があって、去年から一緒に暮らしてるの」

結局全員と顔を合わせた以上、隠れて1人で過ごす必要もなくなったのでAも集会に参加することになった。
カザキおねえさまの後ろにいたおじ様はギルザレンさんという名前らしい。ギルザレンさんⅢ世…ギルザレンIII世さん…？よく分からないが、ザレンさん、と呼んでも許してくれそうだ。

ギ「カザくんのペットって事か？」

カ「そんなわけないでしょ！？妹なの、妹！」

剣「…居候ではなくて？」

カ「もーかたなさんまで…」

真剣な顔でペットと言っているザレンさんはともかく、おねえさまと剣持さんはクスクスと楽しそうに話をしている。こういう仲なんだなぁ、と微笑ましくその様子を眺める事になるなんてつい30分前までは思わなかった。

剣「…あ、すみません、本当に居候だと思っている訳では無いんですよ。」

『っえ、あ！大丈夫ですよ…！』

カ「…ふふ、Aちゃん、かたなさんこわいってさ！」

剣「はぁ！？怖いわけないでしょう！？ね、Aちゃん？」

カ「いーや怖がってるよ！ほらもう困り果ててるもん可哀想に！」

ギ「まったく剣持はそういう所があるからヴァンパイアは歓迎してないのに…」

剣「ぁあ゛！？お前は黙ってろよ！」

『！？』

…集会、といっておねえさまが楽しみにしていたものだからもっと紳士的な集まりなのかと思っていたのだけど…そうではないらしい。
本当にただ友人が集まってご飯を食べるだけのようだ。
それにしても、ザレンさんと剣持さんは仲が悪いのか…？売り言葉に買い言葉が目の前で取引されていたけど…。

カ「…Aちゃん、大丈夫だよ？かたなさんとザレンさん、なんでか分からないけど言い争いをするのが好きみたいでね？毎年あんな風に仲良くしてるの！」

『おねえさま…！』

剣「カザちゃん！？こんな奴と仲良くないから！Aちゃんも納得しないでください！」

ギ「こんな奴とはなんだ！？」

カ「また始まった…」

なるほど、これはもしかして喧嘩するほど仲がいいってやつなのか。私には喧嘩するような友達が居ないから分からないが、きっとこういう仲のことを言うのだろう。

『…ふふっ』

普段2人しか居ない館がこんなにも賑わっているのは初めてでなんだか楽しくなってきた。
思わず笑みを零すと、おねえさまも笑い返してくれた。