永い記憶の後日談【オリジナル】 (ページ3)

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《ウンババの契約》

その名前をきいた瞬間、背筋がゾクゾクした。

聞いた事もない物だったけれど、確実に私を
変えてくれる何かがあったから。

普段、直感やオカルトを信じる方では無いけれど。

でも、本能よりもっと奥、理屈なんかよりもっと確か。

そんな気がした。

だから私は鈴と別れてからまっすぐ家に帰り、すぐさまそのサイトを検索した。

珍しい名前だったからか、今話題になっているからかは分からないが、すぐにヒットした。

そのサイトそのものと、サイトに関するスレッドや掲示板が5.6件。

私はまだ少し躊躇っていたので、まずスレッドを覗いてみることにした。

何件かのスレッドを見て分かったことが幾つがある。

一つはウンババ様は神官と一緒でないと、移動できないと言うこと。

それゆえ異世界へ行ってピンチに直面しても100パーセント助けて貰えるとは限らないらしい。

因みにウンババ様…もとい女神は変わりもので、神官は超がつく苦労人らしい。

妙にリアルな世界観だった。

二つ目はこちらに戻る方法は有る様だ。

明記はされていないが、一人一人方法が違うらしい。

或る人は他人を助けたら。或いは化け物を倒したらなど、様々だ。

考えに考え抜いた末に舞奈は押した。

…プラウザバックのボタンを

「こんなの怪しすぎてできないよ。」

そう言う彼女の耳にフフッと笑う誰かの声は届かなかった。