夢の狭間 ページ43
…夢を、見た。
それは何故か私がまだ小さい頃の姿で、まだ両親も生きていた頃の記憶だ。それと同時に記憶も戻り、俺は…初心に戻っていた。
『お母さん！』
「A、走らないの。」
『はーい。』
公園で遊んで、
『うっ…うっ…お父さん…わたし、強くなりたい…！アイツらを…見返したいの…！』
「…少しだけだ。」
『…！ありがとうお父さん！』
父に武術を習い、
『ねぇお母さん、吸血鬼っているの？』
「さぁどうかしら。でも、いたら凄いわね。」
『うん！かっこいい！』
本を読んでもらって、
『父さん！また賞とれた！』
「凄いじゃないか。お前に武術を教えたのはあながち間違いではなかったかもな。」
『えへへ…』
褒めてもらって…とても幸せな日常。でもそんな中でも身体中がピリピリとなんだか痛くて。何が私を引き止めている。それも分からず…あの日が来た。事故に、あった日。辺りに怒号が響くのに、私の周りだけやけに静かに聞こえて、目の前は血溜まりが出来ていて…
『とう、さん…かあ、さん…？』
「生きて…A…」
『や、やだ、逝かないで…！』
嫌だ嫌だ嫌だ！！私を置いて逝かないで！一人ぼっちにしないでよ！そう泣き喚こうとしたら、突然場面が変わり、1面の花畑と、1本の川の向こうにいる…母。私は思わず川を越えようと走り出した。
『母さん…！』
「ダメよ。」
『っ！？』
「A…ダメなの。」
母の制止の声に、何故か体は川の目の前で止まった。そして母は私を真っ直ぐ見つめると、
「貴方はまだこっちに来るべきじゃないわ。貴方には、待っている人がいる。」
『待ってる、人…？』
「思い出しなさい。貴方はあの人たちと居たくてあんなことをしたんでしょう？なら、思い出しなさい。そして…帰りなさい。」
『あ、あぁ、あぁぁぁ…』
そうだ。私には…俺には、帰る場所がある。早く目を覚まして、アイツらとまた一緒に暮らす。そうしたくて血を飲んだ。そう思った瞬間、思い出す。アイツらの、声も、顔も。そして聞こえて来る、響いてくる。「逝くな」「帰ってきて」「お願い」「起きて」と…
『…あぁ…そうだ。行かなきゃ…起きて、またアイツらと共に生きる。』
「そうよ、貴方なら生きれる。…行きなさい、A。」
『うん。ありがとう、母さん。』
俺は母を背にして、あの眩しい光の中に走っていった。すると、眩しさが俺を包み込んだ。
『…う…』
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まつり(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いや、もう、ほんとにノアさんの物語の完結させ方が大好きすぎます！やばい！好き！（語彙力）夢主ちゃんもドタイプですし、最高です！お疲れ様でした、ありがとうございました！ (2020年10月14日 20時) (
レス) id: 83f48e582b (このIDを非表示/違反報告)
漣@音ゲー民(プロフ) - 完結おめでとうございます！初期から楽しく見させていただき、日々更新を楽しみにしていた癒しの作品が完結となると…寂しくなりますね（笑）何はともあれ大好きなハピエンで嬉しいです。素敵な作品ありがとうございました！！！！ (2020年10月14日 16時) (レス) id: 2c758a340b (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！連載当初から興味を持ちどんな展開になるのだろうと思いながら読まさせて頂きました！素敵な作品を書いてくださりありがとうございます！！ (2020年10月14日 1時) (レス) id: 811a4cfa4f (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初から最後までとても楽しく読まさせて頂きました！ハラハラする場面も多くドキドキしましたがハッピーエンドで終わって良かったです！長い間お疲れ様でした！ (2020年10月13日 23時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - Ｒさん» ありがとうございます！寂しい…ですか？そう言っていただけるとは嬉しいです！ぜひぜひ何度も読み返しちゃってくださいね！ (2020年10月13日 21時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
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