ゞ ページ34
俺がぽかんとしているとすぐにエミさんはハッとして、
Em「あっ、ご、ごめんなさい…！」
『いや、こちらこそごめんな。これ以上居ると邪魔になりそうだからもう行くね。』
余程集中したいんだろうなと俺は察して椅子から立ち上がり、その場を離れようとする。人がいるよりはその方がいいだろうから。すると、エミさんに腕を引っ張られ後ろから抱きつかれた。
『エミさん…？』
Em「待って下さい。違うんです。あなたが邪魔とかじゃなくて、その…」
少し声がうわずり、途切れ途切れで話し始める。エミさんの吐息がうなじにかかり少しくすぐったい。
Em「…いい匂いがして、それがどんどん濃く感じてきて、書類なんて頭に入ってこなくて…なのにあなたが易々と近づいてくるから…！」
更に抱きしめる力を強くしてエミさんは耳元でそう話す。そしてさっきショッピにやられて貼った絆創膏をベリっと剥がすと、
Em「あまりにもあなたが無防備で優しいから、抑えられなくて…私としては少し意地悪したくなるんですよ。知ってますか？目を塞ぐと感覚が過敏になるそうです。」
『え』
エミさんは手で俺の目を覆い、塞ぎかけている傷に唇を這わすとその牙を沈みこませてきた。じわっと痛みが走り俺からは甘い吐息がもれる。
『あうっ…』
Em「はぁ…甘い…ここに来てからあなたの血は日に日に熟れて行っているんでしょうか…前よりも濃く甘く感じる…」
男特有の低い声が脳内に響きくらくらする。あの穏やかで、優しいエミさんがこんなことするのも意外過ぎて頭がついて行ってない。それにエミさんの言う通り目が見えてないから感覚が皮膚に集中していつもより快感が体を巡っていた。エミさんは傷口から牙を抜いて手も目から離すと、
Em「…私は血を吸うことは滅多にありませんが、貴方は別ですね。いつでも飲みたくなるようなこの美味さ…たまらない。それに女の人ってこんなにも柔らかくて心地いいものでしたっけ…」
ぎゅっとエミさんは堪能するように俺を抱きしめる。…エミさんも疲れてんのかな。さっきもここで喧嘩勃発して追い出したって言ってたし。なら…ここは成り行きに任せよう。
……
暫くの間エミさんの腕の中に居るとふいにエミさんはハッとして俺から離れる。
Em「あっ…す、すいませんっ！長い間引き止めた上に血まで…！」
『いいんだ。お前も疲れてるんだろ？』
俺はそう言って微笑みかければエミさんは気づいたように顔を赤く染めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 367人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫【ゆかり】 - いいね！兄さんがドSなところとかドＳなところとか (2020年6月5日 8時) (
レス) id: 363e9bb990 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ~ちゃん�� - 白い尾を持つその人たち? あっ､､､ふーん(察し) (2020年5月31日 17時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
月 - あっ風邪か。。。w (2020年5月26日 2時) (レス) id: f2a5c7d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
月 - ぉぉおおおおお!!!??何が無自覚なんだ!!??気になる〜!(´ω｀*) (2020年5月26日 2時) (レス) id: f2a5c7d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ~ちゃん�� - めっっちゃおもしろい！！ 無理せんように、頑張れ！！ (2020年5月25日 13時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
