結晶が四つ ページ6
その手は人間の原型はなく、まるで結晶で構成された鋭い刃が手の形を成しているようなものだ。せめて切らないように気をつける。
Sn「ふんふんなるほど…ここは表面が結晶化してんのか…でもちゃんと肉はあるし血は通ってるんだろうね。結晶で覆われてるだけで。脚は？」
脚はというとこちらはまだ人間のような足であり、所々に結晶の鱗が生えている。そのような感じで説明しながら質問にもゆっくり答えていく。
Sn「次が最後ね。…良ければなんだけど、君が売られるようになった経緯、教えてくれないかな。攫われたなら親御さんもいるはずだし。」
『！』
私が、競りに出された経緯…ということだろうか。それと、親…なんて…
『…いないんです。』
Sn「え？」
『私には初めから親はいません。私は、産まれた時からある施設で育ちましたから。』
私が育った施設…そこは人間と異種族を掛け合わせる実験をして、それらを売り捌いてお金を得ていた場所。私は…人工的に生まれた。
『そこには私以外にも多くの人々がいました。人魚のハーフだったり吸血鬼のハーフだったり。さらにはそれらをまたかけ交わせて3つの種族の特性を得たものも作ろうとしていました。』
でも、やはり今まで保ってきた種族のDNA…とでも言えばいいのだろうか、どうしても拒否反応が起こり、死んでゆく仲間たちを何度も部屋のガラス越しに見た。
『やはり人間にとって物珍しいものは欲しい。だから人間と異種族を掛け合わせていたんですよ。あるものは観賞用として、またあるものは自分の欲求を満たすためのものとして。いずれにせよ、あそこで競りに出されたらまともな人の元に行くのはほとんどないと思います。』
Sn「…でも施設暮らしで実験体のような生活してた割にはよく知ってるね？」
『…１回、自由が欲しくて逃げ出したことがあったんです。その道中迷ってある部屋にたどり着き、そこの書類を見て消えた仲間がどこへ行ったかも将来私が売られることも、知りました。』
結局捕まってしまったあとは思い出したくもない。躾だと、やられたことを。
『あそこではどこに行っても役立たずにはならないようにある程度の知識も与えられます。だから実験体にも関わらず文字も読めるし書ける。それに私は特殊な部類でした。ドラゴン故に人より遥かに長く生きれる。体質を活かした…生きた、宝石として。ちなみに死んだとしてもこの体自体価値があるので、その時は解剖されて売られてたでしょうね。』
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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