結晶が四十四つ ページ46
カサっ
『……えっ』
Gr「…どうした？」
『今、物音が…？』
何かが床を這う音。かさついた音。思わずきょろきょろと見渡していたら、床に、
───大きな虫がいた。
『〜〜〜っ！！！？』
Gr「あっ」
私はそれを見た途端手をかざしてそれを生み出した結晶の中に閉じ込めた。パキィンと音が鳴り、床にはボール状になった虫入りの結晶が転がった。
『はひ、むし、うぅ……』
Gr「…お見事。」
『お見事じゃないですよぉ……』
グルッペンさんは身震いする私をそっと下ろすと、その結晶のボールを手に取りまじまじと見つめる。
Gr「これは中は空洞…じゃなくて石の中に虫がいる状態か。死んだなこれは。…というかA、お前虫嫌いなのか。」
その問いに、私はこくこくと頷く。
『昔施設の人に実験と称して虫を食べさせられたことあったんです…人と味覚が同じなのか確かめるのに…それ以来虫を見ると思い出して軽くパニックに…』
Gr「うげ。それはキツイな…」
『凄い不味かった……』
Gr「そりゃそうだ。」
思い出しただけでも吐き気がする。あの時私を担当していた人は本当に何考えてたんだと今でも思う。すると、グルッペンさんは虫入り結晶を窓の外に放り投げた。
Gr「全く…ちゃんと掃除しろと言っているのだがな。運動部屋の管理者であるロボロに少し言っておくか。」
『ごめんなさい…大袈裟に騒いでしまって…』
Gr「そんな事ない。ゴキ○リなんてみんな嫌いだ。俺も嫌いやし。」
『そ、そうですか…』
グルッペンさんにも嫌いなものとかあるのか…ちょっと意外な気も…
Gr「ま、Aの苦手なものは知れたしいいか。見つけたらあんな風に退治していいからな。」
『あ、はい…』
Gr「特に大先生とかも大の虫嫌いだからな。感謝されると思うゾ。」
鬱さん虫嫌いなのか。こちらもちょっと意外。
Gr「しかし…いい所で邪魔しやがってゴキ○リめ…まぁいいか。今から改めて…」
『はぅあっ！ま、待ってくださいっ…！』
またあんな風に囁かれたらたまらない。私は思わず前のように翼で顔を隠してグルッペンさんと距離をとる。
Gr「え、なんだそのフォーム可愛すぎやしないか。」
『なんでそんなこと言うんですかぁ…』
Gr「可愛いのが悪い。」
『日に日に大胆になってきてませんか！？』
もう無理だ。私は慌てて部屋を飛び出して後からオスマンさんに泣きついたら、グルッペンさんがオスマンさんに軽く叱られているのを見たのだった。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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