結晶が二十八つ ページ30
本当にこれで大丈夫なのかと思ったし、私は堪らず噛み跡の件も聞いてみた。
『…あの、噛み跡…痛くなかったですか？』
Gr「ん？あぁ確かにびっくりはしたが大したことない。Aが噛んだ後直ぐに血も舐めとってくれて血は案外早く止まったしな。」
『そう、ですか…』
くっきりと残る歯型に私は申し訳なさでいっぱいになる。無意識とはいえ、痛かっただろう。
Tn「やっぱりドラゴンってハーフでも歯が鋭いんかな？ちょっと口開けてみ？」
『あ、』
ぐぱっと口を開けると2人して目を丸くして私を見る。
Tn「あー…これはえぐいな。むしろグルさんよくその程度でいれたな？」
Gr「マーキングの1種だろうから甘噛みで済んだんだろうな。これが殺意あったら今頃俺は大怪我だ。」
『んきゅ…』
Tn「それと舌も…爬虫類系の舌なんやな。長くて舌の先が分かれてる。」
『これは生まれつきですよ。』
ドラゴンとのハーフとはいえどかなり体の仕組み的にはドラゴン寄りな気がする。舌もこれが普通と思って生きてきた。そんな時、
くぅぅぅ……
『………』
Gr「……これ食うか？」
『すいませんありがとうございます…』
思わず鳴ったお腹に恥ずかしく思いながらもトントンさんが持ってきたご飯を指さされた。
Gr「やはり体力を使ったんだろうな。遠慮せずちゃんと食えよ。」
『はい…』
ベッドから降りてテーブルでもくもくと頬張っていると、ふと視線を感じた。見るとトントンさんが何か見ている。
『どうしました？』
Tn「あっ、いや…改めて見ても綺麗な髪やなぁ…って。光沢があって、まるで真珠みたいや。」
さらさらと長い髪に手を通しながら言う。
『…でも、私はトントンさんたちのほうが羨ましいですよ。』
Tn「え？」
『パッとするような黒や金、茶色。私には皆さんの方が綺麗に見えます。…羨ましいです。』
色素が薄く髪も真っ白な私には出ることは無いだろう色。唯一色素が薄めのエーミールさんでさえ髪は柔らかなミルクティー色だ。…私には、眩しい。
『まるでトントンさんは艶やかな黒曜石で、グルッペンさんは鋭く光る金のルチルクォーツみたいです。』
Gr「そう…か？自分の髪にそこまで頓着してなかったから、考えたこともなかった。」
Tn「俺も…でも、嬉しいわ。ありがとな。」
嬉しそうに微笑みながら、トントンさんが私の髪を梳いていると、ふとぴたりと動きを止めた。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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