結晶が十つ ページ12
オスマンさんと少し話しながら、2人がいるであろう部屋へと案内された。
Gr「お、なんだいいじゃないか。」
『そうですか？』
Gr「うん。」
Tn「ええと思うで。」
素直に褒められた…あまり経験ないから嬉しい、かも。
『トントンさん、約束通り翼見せます。』
Tn「あ、うん…」
Os「俺は部屋でとるな〜」
オスマンさんが去り、私はくるりと背を向けると、バサッと翼を広げてみせる。
Tn「ほぁあ…！」
Gr「ほお…これは…素晴らしい。」
Tn「さ、触ってみてもええ？」
『どうぞ。』
承諾すればトントンさんはそっと割れ物を扱うかのように翼に触れる。
Tn「わ…やっぱ硬い…あ、でもこの膜？みたいになってるとこはしなやかな感じなんやな。」
Gr「光が結晶の鱗が反射してきらきらしてる。綺麗だな。」
と、立て続けに褒められるのでつい翼をゆらゆらとはためかせてしまう。施設だったら、こんなこと無かった。
Tn「んー…でもこんなに安易に触らせてくれるとも思ってなかったな。」
Gr「まぁ…確かにな。一応体の一部である訳だし、会って間もないのに男に触れられるのは嫌じゃなかったのか？」
『？そんなものですか？施設ではいきなり上半身裸とかざらだったので。』
Tn「えっ…何のために？」
『もちろん"商品"ですから、傷がついてないか、あと研究のために。』
毎日怪我をしてないかチェックされた。結晶も濁りがない、透き通ったものか採取もされた。毎日毎日、白衣の人や機械に囲まれて体を調べられる日々だった。
Tn「へぇ〜…」
何かが癪に障ったのか、トントンさんは声のトーンを低くして翼を触るのを辞めた。
Tn「ん、もうええよ。ありがとな。」
『もういいんですか。』
Tn「うん、すまんなお願い聞いてもろて。」
にっこりと笑ってトントンさんは言う。でもなんだかどこかイラついた…いや、疲れてる？
『(…そういえば)』
そういえば先程ここに来る前にオスマンさんと話していた時、
Os「そういや、最近トントンのやつ徹夜続きなんよな。」
『最、近？』
Os「正確には君を買う数日前から。あいつ何かと根を詰めるところあるからね。もしかすると君の翼を見たいのって、少しでも綺麗で癒されるものが欲しかったんかもな。」
…と、そう言っていた。癒し…って、なんだろう。私を買ってくれて、こんなにも褒めてくれるこの人に、私が出来ることって…？
『(…あ)』
私は1つ、あることを思いついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
