囚われの結晶 ページ2
じゃらり。
首、脚、手にはまる枷から鎖の音がなる。私は今檻の中でこれから自分の運命が決まるであろう時間が来る。憂鬱な気持ちでその時を待っていれば、不意に目の前がパッと明るくなり、スポットライトが私に当てられた。
「さあさあ今夜の大目玉！身体中に光り輝くクリスタルを持つ伝説の竜！クリスタルドラゴンの半獣人でございます！見た目はさながら宝石！知性も兼ね備えておりますので見るだけでは物足りない人は自分好みに知識を詰め込ませるのも可能です！」
耳障りな男の声に、目の前の観客たちは感嘆の声を上げる。女、男、年齢も様々な…素性がバレぬよう仮面を被る醜い富豪たち。
「では100万から参りましょう！」
その合図と共に観客たちは次々に値を上げていく。200万、500万、1000万、5000万。すると、
「1億」
なんて言葉が聞こえてきて、あぁ…これで買われるんだ…なんて思っていれば、とても低いバリトンボイスで、
「3億」
と、さらに高い値段を出されて私は目を丸くした。
「3億！これで落札です！これにて今回のオークションは終了とさせていただきます。ありがとうございました。」
司会の男の言葉により目の前の幕はおろされ、私は檻から出されると鎖で繋がれたまま歩かされた。時折今来ているワンピースに鎖が引っかかった。着いた部屋に行くと2人の仮面の男がソファに座っていて、何か書類を書いている。恐らく、私の引渡しに関するやつだ。
「これで3億、確認致しました。あとは飾るなり殺すなりお好きにどうぞ。」
そう言いながら司会の男はその人に鎖の鍵を渡し、私は正式にその人達の物となった。外へと出ると、車が止まっており、緑のフードを被った人が待っていた。
Zm「おうやっと戻ったか…って、買ったん！？」
Gr「なんだ文句あるかゾム。」
Zm「いやだって…グルッペンが興味持つもんあるなんて思わんやろ…なぁトントン。」
Tn「ま、理由は後で話すわ。グルさん、この子の枷外してええよな？」
Gr「もちろん。邪魔なだけだ。」
私を買ったグルッペンさん？にトントンさん？は枷に鍵をはめるとかちゃりと音が鳴って、石畳にごとりと落ちた。
Tn「これで君は自由やで。さ、帰ろか。」
『あ、はい…』
Gr「よし、いくぞ。」
そう言って仮面を外した2人の顔は、とても端正で赤い瞳が酷く印象的な、綺麗な人だった。私は手を引かれ、その黒塗りの車に乗り込んだ。…これから、どうなるのだろう。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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