結晶が十八つ ページ20
嬉しかった。私の思わず吐いてしまった思いを聞いてくれたのが。今まで自分の言葉に真摯に耳を傾けてくれるのなんて施設でも極わずかな自分と同じ境遇の子達だけだったし、あの競売場に売られた時はもう自分に発言権なんて無くなったと思っていたから。それにあの施設を見つけ出すとまで言ってくれたんだ。
『(あぁ…この人に買われて、良かった。)』
嬉しくて思わず自分の頬に添えられた手に自分の手を重ねて言われた通り笑った。その後はグルッペンさんと共に朝食を摂るため食堂に向かうと、扉越しにすでにざわついた声が聞こえて、扉を開けると、
Tn「あっ！グルさん危ないっ！」
トントンさんがそういった途端目の前にひゅんっとフォークが飛んできて、少しグルッペンさんより前にいた私は咄嗟に自分の尻尾で弾いた。キィンッとフォークが私の結晶がところどころ生えている尻尾に当たり、床に落ちる。
『…大丈夫ですか？』
Gr「…問題ない。それよりお前は？今直に…」
『え？あぁ大丈夫ですよ結晶で硬質化してる所に当たったからこれくらいなんともありません。』
Gr「そうか？ならいいんだが。…ありがとう。」
『いえ。』
するとトントンさんが駆け寄り私たちの安否を確認する。もちろん何も無かったのでそう言えば安心したように頷いた。
『…あ、そうだトントンさんこれ。昨日はありがとうございました。』
ふと思い出した私は昨日借りたままだったトントンさんの上着を差し出す。
Tn「あ、あー…そういや貸してたな。ありがとう。…本当に大丈夫だったん？」
『何が？それがもし鼻が敏感な私を思ってのことなら、昨日も言った通り私はトントンさんの…』
Tn「わー！！待って！分かったからここで言わんといてくれ！」
『あっはい…』
Gr「トン氏…」
グルッペンさんもどこか呆れたようにため息を着く。そしたらあの緑のパーカーを来た人が寄ってきて、私の顔を覗き込んできた。
Zm「すまんかったな内ゲバ巻き込んで。にしてもほんまに作りもんとかじゃないんやなその尻尾。普通に動いとるもんな。」
わくわくとしたような顔に私は少しぽかんとする。
Zm「な、な、後で尻尾触ってもええ？ドラゴンとか俺初めてやからめっちゃ気になる！」
Sha「はぁ！？ゾムだけずるい！俺も！」
Rb「お、俺も気になる…」
と、どんどん周りに集まってきてしまって、あっという間に私は囲まれてしまった。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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