結晶が八十八つ ページ41
男は席をたち、無数の飾られたものたちの前に立つとそれを手に取りながらまた話し始める。
「そして私は少しづつ個人で研究を重ね、同じ思考を持つ仲間を集め、この施設を建てた。あらゆる金のやりくりと機材や裏の人間たちを駆使して人外たちを捕らえ、採取し、お前たちを作った。最初は酷いものだったよ。培養槽で1から人体を構築するから…肉塊しかできなかった」
瓶を眺めながら男は続ける。
「でも…初めてちゃんとしたハーフを作れた時、私は心底興奮したよ。さらにハーフならどこまで人間なのか、オリジナルとどこが違うのか、またまた色んな試したいことが湧き上がってくる！結果が出る度、ぴたりと当てはまるピースのように、私は快感を覚えるのだ。裏の競売場に売るのは…何かとお金がかかるからね、資金調達の為だよ」
ひとつも表情を変えていないのにも関わらず楽しそうにしているのが分かる。…じゃあ、私たちは、こいつの私利私欲のために…あんなこと…されて…
「その際個人的に綺麗なものや珍しいものの1部を貰い受けてから売り払っているんだ。特に君は覚えているよ。最高傑作だったから本当は私の手元に置いておきたかったんだが…競売場の主に君のことをぽろりと話してから催促がしつこくてね。ほら、君から取れた形のいい結晶…美しいだろう？」
そう言って見せてきたのは男のコレクションの中で一際輝く結晶。あれは…私が売られる前に職員に無理やり引き抜かれたものだ。
「この角は…あのサンダードラゴンの個体から取ったものだ。あれは失敗作だったが…角だけは綺麗に残っていたのでね、有難く頂戴したよ」
『…！』
それを見せられた時、ついに私の中でぷつんと何か切れた気がした。
ズンッ
「ご…はぁっ…」
Gr「！A…！？」
次の瞬間巨大な結晶は男の腹を貫き、そのまま壁に縫い止めた。
『もう…黙れ。私たちを研究対象のおもちゃとしか見てないことはよく分かったから。あなたみたいな人は…この世に、いちゃいけない…！』
「くっ…ふふふ…まさか君がこんなことをするとはね。ここにいる間見ていた様子だと君は人一倍優しかったはず。自分の能力で人を傷つけるとは…いや、優しさゆえに理性を失いかけているのかな」
びちゃびちゃと血を垂れ流しながらも男は笑う。あぁ嫌だ。この人の声も笑顔も気が狂れる。もはや近くにいるグルッペンさんたちのことも忘れるほどに。
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Minto - 完結おめでとうです！とっても夢主(？)の子の発言の一言一言が可愛かったです！ (2021年4月5日 8時) (
レス) id: 018cf43ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ありがとうございます！楽しんでもらえたようでなによりです!!!!!! (2021年4月5日 7時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます！大好きになると言っていただけて光栄です！ (2021年4月5日 7時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅ｨ(プロフ) - 完結おめでとうございますぅぅぅぅぅ！！！連載当初から大好きでした！うぅぅぅ………………………尊い……… (2021年4月5日 7時) (レス) id: 5a1e05369f (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - 完結おめでとうございまぁぁぁぁぁぁぁす！！！ノアさんの作品めっちゃ好きでした…これからは大好きになります！ (2021年4月4日 23時) (レス) id: 02c3934955 (このIDを非表示/違反報告)
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